本文
「地域医療を守る条例」制定
地域医療を守るために県北15万人の思いを集めた署名活動
地域医療を守るために今、私たちがすべきこと
平成21年はじめに医師の退職が問題となった県立延岡病院では、関係機関の尽力と県北住民の署名活動などにより、何とか医師数の減少を免れましたが、神経内科が休診となり、脳梗塞患者への対応ができなくなっています。
また、延岡市医師会病院でも勤務医数が不足しており、医師の招へいに苦慮しています。延岡市医師会が運営している夜間急病センターや日曜・祝日在宅当番医も、開業医の先生方の高齢化などにより厳しい状況が続いています。
そうした状況の中、延岡市医師会の努力や新たな診療所の開業、市外の医師や大学からの応援などにより、夜間急病センターでは、診療体制を順次拡充してまいりました。
全国で医師不足が深刻化する中、それぞれの役割を果たし、市民が地域をあげて医療を守り、さらに健康長寿を目指すまちづくりを進めるために延岡市では、「地域医療を守る条例」を制定しました。
全国市町村で初「地域医療を守る条例」制定
それぞれの役割を果たすために
平成21年9月定例市議会で「延岡市の地域医療を守る条例」が可決されました。この条例は、深刻化する地域医療の危機に際して、市民、医療機関、市が総力を結集して、それぞれの役割のもとで地域医療を守っていこうという決意を表すものです。あわせて、地域医療を守るだけでなく、みんなが健康長寿であるまちを目指していこうとするもので、市町村では全国初となる画期的な条例です。
条例の持つ市民、医療機関、市のそれぞれの理念や役割をお伝えします。
幸せな暮らしのために医療をどう守るべきか
条例ができたことによって、医療問題が自然に解決するものではありません。
私たち一人ひとりがこの地域の医療を自分たちで守っていくという共通認識を持ち、自分に何ができるかを考え、行動して初めて意味を持ちます。
条例の基本理念
地域医療体制の構築
市民、医療機関、市が一体となり、地域全体で地域医療を守る。
健康長寿の推進
市民自らの健康の維持増進の努力医療、保健、福祉が連携して推進
それぞれの役割
市民
健康診査受診の様子
- かかりつけ医を持つ
- 安易な時間外受診を控える
- 医師や看護師などへ感謝の気持ちを持つ
- 検診、健康診査を積極的に受診し、日ごろから健康管理に努める
医療機関
「看護の日」キャンペーン
- 患者の立場の理解、信頼関係の醸成
- 医療機関相互の機能分担、業務連携
- 医療の担い手の確保と良好な勤務環境の保持
- 検診、健康診査などへの協力
市
要望活動の様子
- 地域医療を守るための施策の推進
- 健康長寿推進のための施策の実施
市の基本的な取り組み
- 初期救急医療体制の整備
- 県、大学、医師会、各関係機関、各医療機関、市民団体との連携
- 適正受診推進の啓発、積極的な情報提供
- 保健、福祉その他の健康増進のための施策の充実
将来にわたって、安心して医療が受けられる体制をつくる。