株式会社エッジコネクション

印刷ページ表示更新日：2023年12月8日更新

INTERVIEW

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株式会社エッジコネクション

代表取締役社長　大村康雄様（延岡市出身）

【代表取締役社長大村康雄様プロフィール】

1982年生まれ。宮崎県延岡市出身。宮崎県立延岡高校卒業。

慶應義塾大学経済学部経済学科卒業後、米系金融機関であるシティバンク銀行（現SMBC信託銀行）入行。資産運用のコンサルティングセールスを行い、同期で唯一16ヶ月連続売上目標を達成。

2007年　学生ベンチャーとして起業していた会社を「株式会社エッジコネクション」として創業。

2015年　生まれ故郷である宮崎県延岡市にアウトバウンドコールを主体とした宮崎インサイドセールスセンターを開設。

2023年　福岡支社開設

2023年現在、7年連続増収、12年連続黒字経営を継続中。

営業効率を解決することを中心に、営業戦略設計・テレマーケティング・海外マーケティング・商談代行・各種研修・経営コンサルティング・人材紹介・M&A仲介など1200社以上を支援し、継続取引による売上が常時80％を超え、サービス品質に定評あり。

約20年におよぶ起業家経験や経営者へのコンサルティング経験から、これまでに東京都中小企業振興公社や宮崎県延岡市商工会議所など各地で営業・経営関連のセミナーを100回以上開催。

ワークライフバランスを保ちつつ業績を上げる様々な経営ノウハウを構築、体系化し、多くの経営者が経営に苦しむ状況を変えるべく各種ノウハウをコンサルティング業、各webメディア、ラジオ等で発信中。

Q1：東京本社と宮崎インサイドセールスセンターでの業務内容を教えてください。

弊社は、様々な事業責任者の抱える【営業・人事・財務】の課題を解決する「事業課題総合サポート企業」です。

例えば、ある企業が新サービスを立ち上げる際に必要な情報やツールの提供、継続中の事業であっても営業効率を改善するためのサポートを行います。その他、企業のステップアップに必要な人材の紹介や営業戦略設計、営業マンが商談するためのアポイントの獲得まで、業績アップにつながるノウハウを持って総合的なサポートを行います。また、海外マーケティング事業も新たにスタートし、海外企業が日本に進出する際の販路開拓などを支援しています。

その中で、宮崎インサイドセールスセンターでは、クライアント企業の営業マンが商談するためのアポイントを獲得する業務を行っています。商談のアポイントを効率的に取れていないという企業にかわり、我々が電話をかけてアポイントを取り、クライアント企業の営業担当者にパスをしています。

Q2：延岡事業所で勤務されている従業員数を教えてください。

2edge-001-1536x1024 現在約40名のスタッフが、昨年（2022年3月）JR延岡駅前にオープンしたばかりの「延岡駅西口街区ビル」にある「インサイドセールスセンター」で働いています。全て地元延岡市での採用で、特に中途採用者が多く中にはUターンの方もいます。もちろん面接は延岡市内で行なっています。

Q3:地方進出するに至った経緯とその中で延岡市を選んだ理由を教えてください。

3edge-016-scaled 延岡高校を卒業し大学進学を機に東京へ移り、大学在学中の2003年に起業しました。その当時はうまくいかず、一度外資系金融機関に就職をして、その時の同期4人とエッジコネクションを立ち上げて現在に至るのですが、創業事業はテレマーケティングでしたので、当時から弊社の業務は特に首都圏でないと成り立たないというものではありませんでした。ただ、地方都市進出を真剣に考えていたわけでもなく、なんとなく将来的に延岡市に何か貢献できたらな、とは漠然と考えていました。そんな中、延岡市とお話しする機会があり、その時の企業誘致担当者が偶然小中学校の同級生でして、とても親身になって支援や補助に関する情報を話してくれました。その後いろいろ検討をしましたが、受け入れに関する条件や協力体制に信頼感が湧いたのと、やはり決定に至った理由の中で、自分自身が延岡市出身ということは大きかったと思います。

Q4：延岡市に進出して良かったと感じる事を教えてください。

選んだ理由でも話しましたが、補助制度等はかなり充実していて手厚く対応していただいたので本当に助かりました。また延岡市役所の方々から「誘致企業をサポートしよう」という強いマインドを感じることができ安心して話を進める事ができました。

また環境の良さに関しては誰もが感じていると思いますが、とても住みやすく、食材がいいのでご飯が美味しいですし、特にスポーツやアウトドアレジャーが趣味の方にとっては最高の場所だと思います。東京から出張に来た人は必ず「また来たい」と言って帰りますからね。

そして、社員においては地道な作業をコツコツやるのが得意な人が多いことは、当社のビジネスモデルにとってもありがたいですね。

Q5：逆に苦労したことはありますか？

4edge-010-1536x1024 苦労と言いますか、戸惑った事はありますね。それは、誤解を恐れずに話すと「仕事をして稼ぐという事に対する気持ちが低い人が多い」という事でしょうか。東京だと「こういうことをやったらお給料が上がりますよ」というような会社側の働きかけに対するレスポンスがよく、報酬で人を動かしたり、やりがいを引き出すという手法がある程度機能します。しかし、延岡の方はしっかりコツコツやってくれるのですが、あまり欲がないと言いますか「別にお金はいらんっちゃけど……」という方が意外に多いんです。経営者としては、そこに一番戸惑いがあり、ではどうやってお金とは違うやり方でやる気を出させるか、やりがいを感じてもらうか、という社内の制度設計に悩まされました。

Q6：組織作りや仕事の水準をキープする為に意識していることをお聞かせください。

採用にあたっての適性検査をしっかりとしています。成長欲やストレス耐性がしっかりあることを性格診断で見極めさせていただいています。なんと言っても弊社は全国が相手なので、地域によって仕事の質に格差が出てしまうような事は許されません。よって、適性検査に加えて、常に東京と延岡間で人を行き来させ、仕事の基準を高いレベルで混ぜるように心がけています。特に延岡においてキーパーソンとなる人材は積極的に東京出張に行かせ、全国レベルの仕事のやり方や達成感を肌で感じ刺激を受けてもらっています。

テレマーケティングに関して言えば、コミュニケーションスキルがなかったり、自分の知識がなかったりするとお客様に伝わらないので、その時点で本人がどうしなければならないかを考えなければならずミスを誰かのせいにする事はできません。つまり、自己成長を意識しないといけない仕事内容ですから、ビジネスモデル的には仕事の水準を高く保ちやすく、その点はラッキーだったのではないかと思います。

ただ、そうは言っても、社員の全体レベルを実際に上げていくのは中々大変で、ここまでくるのに何年もかかりました。しかし、その甲斐あってか、社員からも「延岡で暮らしながら都会水準の仕事ができて良かった」という意欲的な声も上がるようになりましたし、60歳を超える方が「仕事を通じて若返るような感じがして楽しい」という声もあります。このような社員の声を聞くと私も「頑張れる社風、組織」をしっかりと作ってこれたのかなと思えて嬉しいですね。

Q7：延岡で雇用された人材はどのような活躍をしていますか？

5edge-019 先ほど社員からの声で「都会水準の仕事がしたかった……」とありましたが、弊社の業務は、職場が延岡市であっても、社内外共に東京を中心とした全国の方々を相手にしますので、全国水準の業務スキルが求められます。そんな事を言うと、なんだか敷居が高い会社のように聞こえてしまうかもしれませんが、たとえ地元延岡出身の未経験者であっても、日々の業務の中で全国の方々に接していく事で、いつの間にか話し方や対応力がアップしています。さらにここ数年のコロナ禍の影響でオンライン会議が当たり前になったことで、弊社でも延岡のスタッフが直接クライアントの会議に同席するようになりました。クライアントも、電話をしている本人から直接意見を聞けるようになった事から、会話の中からいいアイデアが生まれ「わかりました。すぐに戦略を変えましょう」となったり、気がつけば延岡で暮らしながら、東京の誰もが知るような企業の営業戦略、マーケティング戦略を直接提案する事ができるような環境が整ったわけです。これまでの生活ではありえなかった刺激を延岡スタッフは感じていると思います。

Q8：延岡での採用や職場の雰囲気について教えてください。

「同じ働くなら限られた時間を精一杯やりませんか。勤務時間は集中して働き、そして仕事とプライベートにメリハリをつける」弊社ではそんなスタイルで働きたい方を募集していますが、実は特に多い採用経路は社員からの紹介でして、中には兄弟やご主人が入社するということもあるんです。自分が働いていてよくない会社に家族ぐるみで入るということはないと思うので、メリハリのあるスタイルや会社の雰囲気をよく思ってくれている証拠かなと思っています。

働きやすさに関しても、弊社は女性が大変多い事から、子育てと両立されているご苦労も充分理解していますので、例えば「有給の理由を根掘り葉掘り尋ねない」などを徹底しています。職場自体もJR延岡駅前にオープンしてまだ1年のオフィスビルなので、アクセスも良くとても綺麗で清潔、しかも明るいです。とにかくできる限りストレスがかからないような環境づくりを心がけています。目の前にスターバックスコーヒーがあるのもストレス解消にいいかもしれません。

Q9：延岡市に期待する事があればお願いします。

延岡市に対しては、すでに様々なご協力をいただき、皆さんも頑張っておられると思いますが、企業誘致に関しては、職業選択のバリエーションがもっと増えるといいなと思います。また個人的な希望としては、延岡駅前に出張客がふらっと入ることができるいい素材を使った手の込んだ料理が楽しめるようなお店がもっと増えて、駅前に活気が出ればいいと感じました。他の地域は分かりませんが、素晴らしい食材の宝庫である延岡ならできると信じています。

Q10：最後に今後の展望を教えてください。

6大村① 2023年3月に福岡支社を立ち上げました。東京で働きたいけどいきなりの東京勤めには不安があると言う人には、一度、福岡でワンクッションおいてから東京へという流れが作れるようになります。逆に、福岡で延岡出身者を採用し「地元に戻りたい」という気持ちのある人には、仕事を変えずに延岡に戻れるようにもできればと考えています。