ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > 市民向け > 医療・健康・福祉 > 医療 > 知ってほしい小児医療体制の現状

本文

知ってほしい小児医療体制の現状

印刷ページ表示 更新日:2017年6月7日更新

「大変!ひどい熱!」「あっ!足にお湯こぼした!」など、子どもはいつも危険が隣り合わせ。そんな困った時に頼りになるのが小児科医の皆さんです。

ところが市内の小児科医は高齢などの理由により救急医療体制の維持が困難な状況になっています。

今回は、皆さんに、現在の小児医療の現状を正しく認識していただき、将来にわたって毎日安心できる診療体制が維持できるよう、今私たちにできることを考えます。

日曜・祝日の小児診療が大変!

延岡市の小児科の初期救急体制(夜間急病センター、日曜・祝日在宅当番)を支えていただいている医師たちは、これまで12人(日向市の医療機関を含む)でした。

しかし、高齢などの理由により、7月から3つの医療機関が日曜・祝日在宅当番の小児科診療体制から外れ、内科診療のみに変更されたことから、残る9つの医療機関の負担が増すことになります。

7月以降の日曜・祝日在宅当番体制の変更

7月以降の日曜・祝日在宅当番体制の変更の画像

7月以降の日曜・祝日在宅当番体制と医師の年齢構成

医療機関名
おきしま小児科
桜ケ丘ファミリークリニック
田原病院
藤本内科・小児科
ほうしやま子どもクリニック
又木小児科医院
松崎医院
こどもクリニックたしろ(日向市)
大王谷こどもクリニック(日向市)
年代 医師数
20代 O人
30代 O人
40代 2人
50代 3人
60代 2人
70代 2人

平均年齢は60歳、新たな医師の確保が課題。

医師の高齢化と新任医師確保

延岡市の小児科医の平均年齢は、62・8歳で全国平均を約13歳上回っています。

さらに1万人当たりの医師数も全国平均を下回っています。(下表参照)

このことは、小児科医不足のなかで、本市の小児科医の皆さんが、子どもの健やかな成長のために高齢になっても診療を続けてくださっている成果ともいえます。

このため新たな医師を確保する取り組みも必要となっています。

全国平均・県平均に比べて、小児医師が少ない延岡市。
小児科医師の人口比※日曜・祝日当番、夜間急病センター協力医の数(平成26年6月現在)

受診患者の多い小児診療

延岡市医師会の統計によれば、夜間急病センターの全患者数の37%が小児科の診療となっています。(上図参照)

また、日曜・祝日在宅当番の診療においては、43%と約半数が小児診療であったことになります。

乳幼児はいつ高熱がでるかわからず、症状も変化しやすいことから夜間に医療機関を受診する頻度が高くなり、診療科の中でも小児科の医師や医療スタッフの負担は大変重い状況になってしまいます。

小児診療の割合

小児診療の割合の画像

小児科医師の人口比

  全国 宮崎県 延岡市
小児医師数 16,340人 128人 10人※
平均年齢 49.5歳 62.8歳
15歳未満人口1万人に対する医師数 9.7人 8.1人 5.5人

ほうしやま先生に実情を尋ねました

夜間・休日当番医はどんなところが厳しいですか?

先生

ほとんどが初診の患者さんで、診察する医師は、丁寧に見落としがないよう緊張して診察しています。しかし、待ち時間を長くするわけにもいきませんので、回転をよくすることにも気を使っています。

お医者さんも緊張したりするんですね

先生

もちろんです(笑)。休日在宅当番の時は、県北地域の小児診療を自分一人で背負って立っていると思うと、気後れしてしまうこともあります。

夜間や休日の小児科の診療は今後どうなっていきますか?

先生

7月から9つの医療機関で体制を維持することになり困難な状況です。さらに、誰かが体調不良で診療ができなくなり人数が減ると、夜間や休日診療の体制について一時休止を検討せざるを得ない状況です。

小児科というのはどのようなところが大変ですか?

先生

赤ちゃんから中学生までの幅広い患者さんを診察する点ですね。分かりやすく言えば赤ちゃんが発熱する原因から中学生が発熱する原因まですべてを知る必要があります。このよう小児科というのはどのようなところが大変ですか?に幅広い患者の知識が求められます。だからこそやりがいもあります。

市内には小児科医が少ないですが、なぜでしょう?

先生

小児の医療現場では、一般的に急患が多く(親の不安)、休日夜間も多忙のため、残念ながら小児科医のなり手は比較的少ないです。また、小児科医の中でも、設備の整った都市部にとどまる医師が多く、医療環境全体が変わらなければ、医師不足となっている地域の改善は難しい情勢です。

診療以外ではどんなことをしていますか?

先生

普段の診療を滞りなく行うことが最も重要ですが、その他にも専門医としての資格を維持するための単位取得や、学校医としての学校での仕事、看護学校の講師などいろいろなことをしています。

また、家庭では父親としての役割もあります。時間がいくらあっても足りないので、時間のやりくりが大変です。

お忙しい先生ですが、趣味はありますか?

先生

唯一の趣味はマラソンです。毎日12キロメートルを日課にしています。走るのは楽しいですね。夜勤明けでも走ってるんですよ(笑)。

医師も人間ですから、適度な休みで、心と体をリフレッシュして、ミスを予防してます。

市民の皆さんへアドバイスをお願いします

先生

診察の時に話を聞いてみると、病気は油断から生じているケースがかなり多いことがわかります。

例えば、処方薬を途中でやめてしまい発作を起こすなどです。子どもの体調が悪い時はしっかりと休ませて、処方された薬を最後まで服用させるよう心がけてください。

また、病気を防ぐためにも食事・睡眠のリズムをしっかりつくることや、これからの時期にはクーラーの使い過ぎには注意してほしいですね。

また、病気が疑われる場合、市の「子ども救急医療ガイド」はわかりやすくとても役に立ちます。ぜひ活用してください。

 365日安心できる小児診療体制維持のために「私たちができること」

ほうしやま先生に実情を尋ねました
ほうしやま子どもクリニック
院長 宝珠山 厚生
医師延岡市医師会小児科医会 会長