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第24回若山牧水青春短歌大賞佳作入選作品(大学生等及び一般の部)

印刷ページ表示 更新日:2024年4月16日更新
No 入選作品 氏名 都道府県 市区町村 学校名 学年
1 はちみつのかをりひろげるその花は檸檬となる花けふを咲きをり 小守 くるみ アメリカ アリゾナ    
2 おはようと口角上げて夜勤入り白衣脱ぐまで別人になる 有馬 セツエ 青森県 青森市    
3 日曜日わたしがわたしと過ごす日の身支度としてフィグの香水 藤田 ゆき乃 岩手県 陸前高田市    
4 ふるさとへ向かう列車のテーブルで静かにはしゃぐわらび餅たち 藤田 留実子 秋田県 能代市    
5 短冊に「ふくえんして」と幼子の文字が揺れてる笹の葉の陰 貝塚 妙子 茨城県 土浦市    
6 あの道をまっすぐ行けば会えたのに一つ手前を曲がったあの日 高本 伸子 茨城県 古河市    
7 夕立を体すべてで受けとめてあなたは夏の天才でした 木村 竜也 栃木県 小山市    
8 君を好きな人はわたしだけでいいのにね束になって咲くコスモスの白 木下 美樹枝 群馬県 前橋市    
9 黄八丈知り尽くしては着尽くして終活という長き時間よ 斎藤 宏子 群馬県 高崎市    
10 かりゆしの紬おる音心地よくヤシの木かげでしばしまどろむ 浅田 礼子 群馬県 太田市    
11 シーラカンスぼくは今でもシーラカンスアナログなまま生きる化石だ 坂井 傑 埼玉県 所沢市    
12 止めよとは我言へざりき泣き叫び「復讐したい」とウクライナの子 陶久 要 埼玉県 所沢市    
13 告白も喧嘩も笑い合ったのも聞いていたのはいつだって海 田口 千尋 埼玉県 行田市    
14 青い空きっと僕らはウマが合うあんぱんひとつで笑えるなんて 大野 美波 埼玉県 入間市    
15 青春は多湿なこころ草を踏むようにあなたを傷つけていた 芍 薬 千葉県 千葉市    
16 理科室の人体模型も夏休み君と二人きりの生物部 渡会 克男 千葉県 柏市    
17 老いた狐が同胞無くて猫と居て雨の祝日図書館へ行く 瀧 あすか 東京都 杉並区    
18 庭先きの近さに住みて日々仰ぐ東京タワーは恐らく孤独 松井 須美江 東京都 港区    
19 あと五分待てば貴方がくるようなそんな気がして帰れない私 佐々木 玲衣 東京都 西東京市    
20 賑やかな木馬のような思い出を忘れるための観覧車です 井上 秀子 東京都 練馬区    
21 買物も少しは慣れてスーパーのポイントカードも忘れずに出す 柳川 維 神奈川県 秦野市    
22 鹿児島の最南端の無人駅入道雲の盛り上がる夏 前田 伸夫 神奈川県 川崎市    
23 「えてして」の意味を聞かれて辞書をひき「とかく」とあって頭抱える 新村 衣里子 神奈川県 川崎市    
24 石鹸を食べたと思って吐き出した生まれて初めて出会ったチーズ 田中 美鈴 岐阜県 恵那市    
25 永遠を信じちゃいない永遠が一瞬になるキミの横顔 岩崎 菜々子 岐阜県 恵那市    
26 栞ひもの使われもせず図書館の隅でわたしを待っていた本 小山 肇美 三重県 松阪市    
27 泣きたさに山葵と花椒練り込んで怒りにかえていた十四の夏 服部 あや 三重県 伊賀市    
28 散り急ぐさくらの空を見上ぐれば十六分音符の風吹きぬける 井田 寿一 滋賀県 東近江市    
29 夕間暮れはげしき雷雨過ぎ去れば犬と分けあふ淋しさにをり 竹下 真優美 京都府 京都市    
30 好きでしたあたしあのとき雨になどいくら濡れてもかまわなかった 小池 ひろみ 京都府 京都市 大阪大学 3
31 賞味期限のとっくに切れた思い出は今度の火曜日ゴミに出してね 田崎 千草 京都府 京丹後市    
32 道問えば鍬で指す先言葉無く頬かむりした畑中の人 中村 登 大阪府 岸和田市    
33 切符切る大鰐駅は車掌いてコケシが並ぶ優しい駅だ 森崎 大青 兵庫県 姫路市    
34 蝋燭のようにしんと立っている白鷺一羽月夜の眠り 山田 恵子 兵庫県 南あわじ市    
35 アオサギの隣に座る人生の四方山ばなしを聞いてみたくて 佐藤 陽子 岡山県 岡山市    
36 ゆんゆんと口を動かす獏がいて檻の塗装が小さく剥がれる 橋本 優 岡山県 岡山市 就実大学 3
37 今までは蛹だったという風にマスクを脱いだ君が眩しい 岩中 幹夫 岡山県 玉野市    
38 対岸に渡ったように無理矢理にテーブル越えてキスもしたのに 樋口 淳一郎 香川県 高松市    
39 年の瀬にバイトがあると帰らぬ子伊達巻ほどの太さの怒り 岩本 稔 香川県 綾歌郡宇多津町    
40 十八を迎えたときに思ったこと父と母が出会った齢 逢坂 咲穂 愛媛県 松山市 愛媛大学 4
41 万緑や離婚届は緑色渇いたのどに水沁みわたる 仲田 裕美子 愛媛県 伊予市    
42 惚けそむ母が摘みたる青蘇を胡瓜ともめば泣けりこの味 西本 明浩 高知県 安芸郡安田町    
43 あの日君が捕って放したアブラゼミ四世代目が今日鳴きました 川添 さとみ 福岡県 福岡市    
44 ネクタイを緩くしめたような沖縄に「軍機」飛ぶなり五十一年 中山 光一 福岡県 福岡市    
45 ひっそりとアルバムに住む君はまだ白い項を見せようとする 原口 朝光 佐賀県 佐賀市    
46 いつの日か来るのだろうか私にも私が私とわからなくなる日 古賀 由美子 佐賀県 唐津市    
47 忘れ物届けてくれた人がいる私の歴史上の人物 石井 かおり 大分県 日田市    
48 粒々で色とりどりな君たちが歌い出したら溶け合う不思議 ホワイト まどか 鹿児島県 鹿児島市    
49 玉音と虚脱の民と蝉時雨あの日を語る母も逝きたり 山神 哲男 鹿児島県 いちき串木野市    
50 故郷と呼べる土地なき我もまたテレビに合わせて故郷歌ふ 高妻 甲継 宮崎県 宮崎市    
51 逝きし息子と未だ暮して居るごとし日に幾度も物問ふてをり 長渡 栄子 宮崎県 日向市    
52 向日葵の得意科目は数学ねフィボナッチ数で種を並べて 陰山 芳子 宮崎県 西臼杵郡高千穂町    
53 疎開せし阿蘇の山里蝉しぐれ母恋ひて泣きし十五才の夏 水津 寿和子 宮崎県 延岡市    
54 ただそばに居てくれるだけでいいのですほていあおいの花が咲いたよ 今村 公子 宮崎県 延岡市    

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