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第22回若山牧水青春短歌大賞佳作入選作品(大学・一般の部)
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更新日:2022年2月14日更新
No. | 入選作品 | 氏名 | 都道府県 | 市区町村 |
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1 | 工場のラインに並び弁当に白飯つめる私の春 | 秋田 聡子 | 北海道 | 千歳市 |
2 | 森林に描きこむ鳥の決まらずに明日図書館に図鑑みにゆかむ | 長利 冬道 | 青森県 | 弘前市 |
3 | やや大きツバメ五匹の飛翔かとブルーインパルス飛ぶ町に来て | 畠山 昭二 | 宮城県 | 仙台市 |
4 | 後悔をみんなかかへて生きてゐるそんなことさへわからなかった | 渋谷 史恵 | 宮城県 | 多賀城市 |
5 | 「アカシアだ」雨に匂える花の名を下校の道で君が呟く | 小松 紀子 | 秋田県 | 大仙市 |
6 | 触ったら殻に引っ込むわぎもこのこゝろも靴も渦巻模様 | 岡崎 亜佐子 | 茨城県 | 水戸市 |
7 | 玄関のカギや財布に鈴つけてコロナにも一つ付けてやりたき | 青木 加寿子 | 栃木県 | 下都賀郡 壬生町 |
8 | ひらがなの大き名札をゆさゆさと揺らし小児棟の看護師は笑む | 川野 忠夫 | 群馬県 | 伊勢崎市 |
9 | 電車から自転車にした通学で近道だけの地図が出来そう | 金子 歩美 | 群馬県 | 吾妻郡 東吾妻町 |
10 | 時が来て星になる日が来たのなら南の空でぼくは待つから | 坂井 傑 | 埼玉県 | 所沢市 |
11 | 銅一つ獲りて選手の還り往く母国は遠き内戦の国 | 陶久 要 | 埼玉県 | 所沢市 |
12 | 結婚や出産について語り合う同級生のえくぼを見てる | 奈路 侃 | 埼玉県 | ふじみ野市 |
13 | きみじゃなくきみを縁取る空間を見ている僕は初デート中 | 早川 涼見 | 埼玉県 | 越谷市 |
14 | 東京に埋もれたくて買ったのにビニール傘はすぐ駄目になる | 芍 薬 | 千葉県 | 千葉市 |
15 | あんなやつ思い出すなと友だちが言ってるあんなやつに会いたい | 和田 直樹 | 東京都 | 西東京市 |
16 | 空と海しか描かれていないけど真冬なのだとわかるキャンバス | 森永 理恵 | 東京都 | 調布市 |
17 | 口元がおれに似てるとふと気づき母との喧嘩をやめる休日 | 蒔山 智郎 | 東京都 | 八王子市 |
18 | 青春の延長戦のグラウンド真剣勝負のわが草野球 | 竹澤 聡 | 神奈川県 | 横浜市 |
19 | 転がった力士のため息きこえくる観客なしのコロナ禍の場所 | 石戸谷 行子 | 神奈川県 | 横浜市 |
20 | 柚子の香をスーと吸い込み膝を抱え湯舟に丸い実になりゆく子 | 柳川 維(※) | 神奈川県 | 秦野市 |
21 | ふんわりとキンモクセイの風が吹くできることだけやればいいのさ | 島野 孝子 | 静岡県 | 浜松市 |
22 | ペイペイにてやうやく支払ひ済ませたり持ち帰り寿司揺らせて帰る | 鈴木 寧 | 愛知県 | 蒲郡市 |
23 | 指切りの固い約束あたたかさ伝わってくるよエピテーゼから | 磯田 真吾 | 愛知県 | 犬山市 |
24 | みなマスクずっとマスクで級友は級友のまま親友にならぬ | 斉藤 浩美 | 愛知県 | 東海市 |
25 | もっと早く言えるものなら言っていた黒い揚羽のゆらす鬼百合 | 小山 肇美 | 三重県 | 松阪市 |
26 | 夕焼けを廻す少女の縄跳びのくるりくるりを眺め通りぬ | 井田 あさみ | 滋賀県 | 東近江市 |
27 | 乾電池たった二本で一生懸命しゃべってくれるラジオと過ごす | 千代 哲雄 | 滋賀県 | 高島市 |
28 | 夜学にてフィリピン、ブラジル、ボリビアの生徒らと読む宮澤賢治 | 佐藤 千絵 | 滋賀県 | 長浜市 |
29 | きれいだね前来た時はと言いかけて誰と来たかを思い出したり | 有本 綾 | 大阪府 | 堺市 |
30 | 「もう好きじゃない」でいいから聞かせてよスケール1/1の言い訳 | 松本 慶 | 大阪府 | 泉佐野市 |
31 | ぼくたちは相合い傘をするべきだ世界最後の雨かもしれない | 北原 陸 | 大阪府 | 高槻市 |
32 | よっこらしょ気づかせぬほどさりげなく腰かける背に毛布をはさむ | 須浪 淳 | 兵庫県 | 神戸市 |
33 | 遠き海にわが沈めたる片恋を食べし鯨かまだ鳴いている | 山本 みさよ | 兵庫県 | 神戸市 |
34 | 風船を拾ってしまった地下鉄の出口に降りてきた風船を | 小竹 哲 | 兵庫県 | 宝塚市 |
35 | 虚偽ばかり増えてはびこるこの国にコロナと同じ怖さがつのる | 渡辺 勇三 | 奈良県 | 宇陀市 |
36 | 梅味のポテトチップス五枚だけ私に残す息子の優しさ | 角森 玲子 | 島根県 | 安来市 |
37 | 海に出て働くようになって知る雨はカーテンをひくようにくる | 笹鹿 岳志 | 島根県 | 隠岐郡 海士町 |
38 | 子の齢ほどの歯科医に「あーん」と言われ素直に口を大きくあける | 小藤 和子 | 岡山県 | 岡山市 |
39 | 指に染むバジルの香り漂ひぬ文字書くたびにレシピの浮かぶ | 畑口 博子 | 山口県 | 岩国市 |
40 | 「旨い!」って曾祖母が言えば「『おいしい』と言いなされ」と祖母がたしなめていた | 森岡 政子 | 徳島県 | 阿南市 |
41 | 噎せかへるほどに匂へるライラック愛さるること此の先あるや | 松尾 初夏 | 徳島県 | 徳島市 |
42 | 寒晴れの空を指さし三歳が真昼の月をいくども言へり | 中平 妙子 | 高知県 | 須崎市 |
43 | 山峡のさくらの青葉夏至の陽をはじきはじきてそよぎゐるかな | 能塚 節男 | 福岡県 | 福岡市 |
44 | ダンマリも言いたいことがあるらしい君の黙秘がけっこう怖い | 古賀 由美子 | 佐賀県 | 唐津市 |
45 | 泣くからな今すぐぼくは泣くからなそんな顔する今朝の空色 | 舛田 美子 | 熊本県 | 熊本市 |
46 | 初めての少し大きめ長靴に「足がこぼれる」と幼は叫ぶ | 野添 由美子 | 熊本県 | 熊本市 |
47 | スプラッシュ!炭酸水の理不尽が鮮やか過ぎてどうでもいいや | 松田 純子 | 熊本県 | 玉名市 |
48 | 夕映えの五ヶ瀬川面を眺め居り身重の妻と土手に休みて | 土屋 登章 | 大分県 | 別府市 |
49 | パナマ帽父のこの世の忘れ物咥えタバコのその影法師 | 原 比呂子 | 大分県 | 国東市 |
50 | 老妻とエッフェル塔の風浴びて二十世紀の約束果たす | 森山 高史 | 沖縄県 | 国頭郡 大宜味村 |
51 | 帰宅する妹弟四人の靴音のコツコツコツを聞き分けし母 | 長渡 栄子 | 宮崎県 | 日向市 |
52 | 針箱に旧姓のままの竹定規二十センチの思い出があり | 門田 祥子 | 宮崎県 | 児湯郡 新富町 |
53 | もし仮に「会いたいビーム」見えたならマスクメロンのようなこの地球 | 上米良 綾子 | 宮崎県 | 西臼杵郡 五ヶ瀬町 |
54 | 春の雨娘へ渡す一本の包丁の重さ荷づくりの朝 | 古川 久師 | 宮崎県 | 延岡市 |
55 | 娘と嫁より送られてくるチョコレートバレンタインに亡夫はまだ居る | 今村 公子 | 宮崎県 | 延岡市 |
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