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第21回若山牧水青春短歌大賞佳作入選作品(大学・一般の部)
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更新日:2021年12月16日更新
No. | 入選作品 | 氏名 | 都道府県 | 市区町村 | 学校名 | 学年 |
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1 | わたくしのピアノをいつも聴いているカニサボテンにたわわな蕾 | 住吉 和歌子 | 北海道 | 札幌市 | ||
2 | この箱で宇宙は二つに分けられる僕の持ってるあなたの遺骨 | 平松 泰輔 | 北海道 | 札幌市 | ||
3 | 同じ本持つてゐたいと何軒も書店巡りて『はつ恋』買へり | 猫田 馨 | 青森県 | 東津軽郡 蓬田村 |
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4 | 独り立ちしてから知った食パンの期限がこんなに早いってこと | 加藤 菜々 | 秋田県 | 由利本荘市 | ||
5 | 友達を見つけようと表示されフェイスブックを即座にやめたり | 伊東 伸也 | 福島県 | 須賀川市 | ||
6 | 結論までいかない恋が十ばかり初雪の日の匂いだけして | 高樹 茂子 | 福島県 | 郡山市 | ||
7 | 駆け引きは野球みたいに詩的だね送りバントで駒を進める | 鈴木 智子 | 茨城県 | 水戸市 | ||
8 | しゃぼん玉君を映して空へ舞う君より君を知ってる気がする | 中原 壱朋 | 茨城県 | 桜川市 | ||
9 | あなたを好きなまま軽蔑したよ。わたしは幸せなままだよ。まま。 | 柳崎 舞花 (※) | 茨城県 | 坂東市 | 茨城県立農業大学校 | 2 |
10 | 目をやればあっちこっちに向いて咲くペチュニアは皆おしゃべりな花 | 阿久津 孝子 | 茨城県 | 古河市 | ||
11 | 階段の電球の下に封を切る母の手紙はひらがなばかり | 青木 一夫 | 栃木県 | さくら市 | ||
12 | 妹と図書館へ行く夏休み予備のマスクを多めに持って | 金子 歩美 | 群馬県 | 吾妻郡 東吾妻町 |
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13 | かなしいと云えないほどにかなしくてハエトリグモといっしょに踊る | 坂井 傑 | 埼玉県 | 所沢市 | ||
14 | 蓋をした気持ち取り出す君の名が予測変換から消えるまで | 清水 七海 | 埼玉県 | 東松山市 | ||
15 | 年下ともう遊べないさっちゃんの「あそぼ」を無視した中一の夏 | 今井 恵美 | 埼玉県 | 新座市 | ||
16 | 朽ちてゆく猫の死骸に背を向けたあの日倫理のテスト満点 | 笠川 玲 | 千葉県 | 船橋市 | 青山学院大学 | 2 |
17 | 散り際に激しく匂うカトレアを挿して苦情の客をまちおり | 葛岡 昭男 | 千葉県 | 流山市 | ||
18 | さよならを言った後にももう一度いつも同時に振り向く二人 | 高澤 養子 | 千葉県 | 市川市 | ||
19 | 炎天下水飲み干してカマキリの目玉みたいに張る喉仏 | 小野 史 | 東京都 | 足立区 | ||
20 | 君がいる記憶を開くための付箋たとえば雨のバス停留所 | 桐生 莉緒 | 東京都 | 練馬区 | ||
21 | 漫画本あなたの勧めで買い始め棚埋め尽くすもういないのに | 山口 遥花 | 東京都 | 板橋区 | ||
22 | きみの手にいつも優しく光ってるスマホのようにぼくはありたい | 野村 信廣 | 東京都 | 町田市 | ||
23 | 坂道で空気の抜けた自転車を押して歩いていたような恋 | 澪那 本気子 | 東京都 | 八王子市 | ||
24 | 二十分すべての時計を進ませて遅れ出したらそれ私です | 井上 秀子 | 東京都 | 練馬区 | ||
25 | 嫌いって言ってくれたらスケジュール帳の八割空くんだけどな | 山本 礼菜 | 東京都 | 三鷹市 | ||
26 | 美しい記憶は褪せる僕がまだかたつむりである頃みた光 | 有吉 玲 | 東京都 | 文京区 | 東京大学 | 1 |
27 | 上京の前日の朝卵とく音で目が覚め布団をかぶる | 横山 友香 | 東京都 | 新宿区 | 青山学院大学 | 3 |
28 | 生きてゆくことは心配することで心配し合えるあたたかな春 | 友常 甘酢 | 神奈川県 | 横浜市 | ||
29 | 青春のどこをとってもビートルズだったか祖父のアルバムめくる | 合志 星羅 | 神奈川県 | 横浜市 | ||
30 | 裸眼では生きていけないけどすごい朝焼けだってことは分かるよ | 久藤 さえ | 神奈川県 | 横浜市 | ||
31 | 制服のスカート一つ折り返し君を待ってる1番ホーム | 須山 恵美 | 神奈川県 | 横須賀市 | ||
32 | 詩一つ浮かびし朝にペン取りぬ葱の香りのまだ残る手に | 齊藤 猛美 | 山梨県 | 中巨摩郡 昭和町 |
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33 | ブルーベリージャムのちょうど切れた朝かなしみが瓶に透けて群青 | 山本 栞 | 山梨県 | 都留市 | ||
34 | 恐竜が目覚めるほどの恋をしてあとは滅びるだけの僕らだ | 尾内 甲太郎 | 静岡県 | 浜松市 | 放送大学 | 1 |
35 | 実家より千両・万両移植して遺産相続完了したり | 山田 靜 | 愛知県 | 名古屋市 | ||
36 | とびはねて胴体さがす蜥蜴の尾生物部には女子部員ひとり | 斉藤 浩美 | 愛知県 | 東海市 | ||
37 | ねじ花のピンクの螺旋階段のおどり場にいてきみと見る空 | 小山 肇美 | 三重県 | 松阪市 | ||
38 | 宇宙船が飛んでいるんじゃないかって空を見てから雨戸は閉める | 清水 ゆん | 三重県 | 志摩市 | ||
39 | 合奏に入りそびれて立つ窓辺葡萄色したカーテンのかげ | 佐藤 千絵 | 滋賀県 | 長浜市 | ||
40 | 坂道でついて来れない君を待ち昔は良かったなんて言わない | 川崎 岳史(※) | 京都府 | 木津川市 | ||
41 | 何だってできる予感のソーダ水気づけば炭酸僕を追い越す | 山野 大輔 | 大阪府 | 堺市 | ||
42 | あの頃はよかった式の老いの愚痴われいまそれをひょいと口にす | 渡辺 勇三 | 奈良県 | 宇陀市 | ||
43 | 行商の媼が縁に腰下ろし財布の中を確かめている | 上嶋 東木 | 鳥取県 | 鳥取市 | ||
44 | ひまわりの種のせ佇てばふうわりとヤマガラの足てのひら摑む | 小林 一恵 | 岡山県 | 浅口市 | ||
45 | あの人と同じ小説買ってみたそれだけの恋通学電車 | 松友 しのぶ | 山口県 | 下松市 | ||
46 | 消えかけた目盛りの定規で線を引く今は人生のどのあたりだろう | 堤 善宏 | 愛媛県 | 松山市 | ||
47 | 乳牛を洗ひに川へ行くことの難しさ知る少年の日に | 御塚 賢三郎 | 佐賀県 | 嬉野市 | ||
48 | ゲートルをきりりと巻きし緊張を瘦せたる脚が記憶してゐる | 谷頭 貞夫 | 長崎県 | 佐世保市 | ||
49 | ちょっとだけ離れて歩くだんだんと靴が素直になって近づく | 泉 和也 | 熊本県 | 八代市 | ||
50 | 昔日に紙芝居始まるその場所はわが家の下の牛の爪切り場 | 風岡 睦子 | 熊本県 | 球磨郡 湯前町 |
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51 | 甘玉子つくりし時に柿色の郵便受けはゴトリと音する | 河内 敦子 | 熊本県 | 天草市 | ||
52 | 旧仮名で母への想ひ綴りたし空に満月虫は涼やか | 山神 哲男 | 鹿児島県 | いちき串木野市 | ||
53 | 原爆の子の像モデル禎子さん同じ日生まれの我は喜寿なり | 黒木 直行 | 宮崎県 | 日向市 | ||
54 | ひなあられ添えられてあり手術日を明日にひかへし夕の食膳 | 長渡 栄子 | 宮崎県 | 日向市 | ||
55 | 縞蛇の身をよじりつつ石垣にもぐる力を近々と見つ | 浜松 栄一 | 宮崎県 | 延岡市 | ||
56 | 走るのはもういいだろう寄り道をしつつ歩けば花にも気付く | 古川 久師 | 宮崎県 | 延岡市 | ||
57 | 死に方が生き方だった亡き義父(ちち)に生きる力を与えられつつ | 甲斐 勤子 | 宮崎県 | 延岡市 | ||
58 | 鰺もらいなついてくれた 「 吾輩 」 は野良猫なれど釣りの友なり | 小野 雅史 | 宮崎県 | 延岡市 |
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