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第20回若山牧水青春短歌大賞佳作入選作品(大学・一般の部)
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更新日:2021年12月16日更新
No. | 入選作品 | 氏名 | 都道府県 | 市区町村 |
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1 | いくつかの用事終えたる秋の夜にようやく外す腕の時計を | 福島 敏真 | 北海道 | 小樽市 |
2 | ハブラシが勝手にキスしている夜更けあなたのことをもう許してる | 住吉 和歌子 | 北海道 | 札幌市 |
3 | 蓋をして3分間の待ち時間人それぞれの想いの時よ | 野里 風情 | 青森県 | 八戸市 |
4 | 肩の力抜いてごらんよ宇宙にはかなりスリムな真実がある | 坂本 秀子 | 青森県 | 三戸郡 南部町 |
5 | 水溜りひょいと跨いで令和へとキーマカレーの香りくる街 | 阿部 堅市 | 宮城県 | 仙台市 |
6 | 何でもないことがうれしさう東京の孫と離島の山羊にエサやる | 畠山 みな子 | 宮城県 | 仙台市 |
7 | 人間てふしぎだなあといふやうにめだかのこどもはわれを見てをり | 渋谷 史恵 | 宮城県 | 多賀城市 |
8 | 世間ではいつも陰にいる我なれど心にいつもペンを備えて | 齊藤 敏也 | 秋田県 | 秋田市 |
9 | 鰯雲こんがり焼けた夕空に大根おろしのちぎれ雲浮く | 柏屋 敏秋 | 山形県 | 山形市 |
10 | 点滴を数えて朝を待つように棚田の村は春待ちわびる | 柏屋 若子 | 山形県 | 山形市 |
11 | 渡されたお金にぎってお使いをした薬屋も今はコンビニ | 関根 道子 | 茨城県 | 古河市 |
12 | キッパリといらない物はいらないと告げているよなアマリリスかな | 高本 伸子(※) | 茨城県 | 古河市 |
13 | 出しすぎた歯磨き粉もう戻らない恋も前に進むしかない | 中原 壱朋 | 茨城県 | 桜川市 |
14 | 花火師の安堵の背中が美しい世界のからくり知らずに生きる | 柳崎 舞花(※) | 茨城県 | 坂東市 |
15 | 棟上げの棟木を上げる儀式なり見習大工の黒足袋の裏 | 小山 幸子 | 茨城県 | 古河市 |
16 | 星空に夢中になった八月は夜しか生きていない気がした | 金子 歩美 | 群馬県 | 吾妻郡 東吾妻町 |
17 | 今日夢に君が出てきた意味を知る三時限目の古典の授業で | 石川 裕加 | 千葉県 | 浦安市 |
18 | 俺という小石に君は躓かず何事も無く通り過ぎ行く | 安田 清一 | 千葉県 | 木更津市 |
19 | さばく手に迷いのありてヒラマサの鮮度落ちゆく板前初日 | 小野 史 | 東京都 | 足立区 |
20 | 酸素魚雷に若者ひとり閉じこめて送りだしたり「回天」と呼び | 野上 卓 | 東京都 | 世田谷区 |
21 | 君の手の線香花火の消える間の小さき明りに素足見えたり | 傳田 不二男 | 東京都 | 西東京市 |
22 | イケメンはハンサムよりも遊び人みたいで君を美男子と呼ぶ | 澪那 本気子 | 東京都 | 八王子市 |
23 | 白もまた燃ゆる色なり夏椿青春といふ思い出に咲く | 北村 純一 | 神奈川県 | 厚木市 |
24 | 縁側に新聞広げ老人は足の裏向け秋の日浴びる | 柳川 維(※) | 神奈川県 | 秦野市 |
25 | クロールを布団の上で練習す吾子の枕をどかす初夏 | 友常 甘酢 | 神奈川県 | 横浜市 |
26 | すいませんに代えて水仙の花束を贈ろう間抜けに過ぎた記念日 | 野本 真吾 | 長野県 | 上高井郡 高山村 |
27 | あかねさす日の出旅館に泊まりしは受験の時の遠き思ひ出 | 後藤 進 | 岐阜県 | 岐阜市 |
28 | ゆっくりがいいびっくりがいい恋は万年筆でだいじにつづる | 山下 奈美 | 静岡県 | 静岡市 |
29 | 不思議だな耳の形って君の顔の両側にあるクエスチョンマーク | 山田 真人 | 愛知県 | 稲沢市 |
30 | 両腕を帆船のごと広げたら太平洋のからだとなりぬ | 水野 大雅 | 愛知県 | 名古屋市 |
31 | バスを待つ日傘の中へ招かれて短かき会話なれども涼し | 斉藤 浩美 | 愛知県 | 東海市 |
32 | 面会の時刻過ぐれば暖房の音のみこもる夜の病室 | 井田 あさみ | 滋賀県 | 東近江市 |
33 | アモアマス動詞の活用つぶやいてライムを絞る君の手を見る | 堂本 まり | 兵庫県 | 明石市 |
34 | 留守電にばかり繋がる夜だから驟雨のやうな声が聞きたい | 大江 美典 | 兵庫県 | 西脇市 |
35 | こんなにも信じることはむつかしいわたしはわたしを信じていない | 瀬戸内 光 | 山口県 | 光市 |
36 | 外来のカルテに祖母の歳を知る八十四歳十一か月 | 森 美紗樹 | 香川県 | 高松市 |
37 | まだ少し時間はあると樹木植え家族のように言葉を掛ける | 宇都宮 千瑞子 | 愛媛県 | 松山市 |
38 | くろこげのホットケーキのさいごまでささらぬフォーク彼は戻らぬ | 太田 華奈 | 福岡県 | 福岡市 |
39 | みどり葉のそよぎさやかにさはさはさは葬送の列丘の端を過ぐ | 能塚 節男 | 福岡県 | 福岡市 |
40 | 夏来れば裏のとぎ場でシュッシュッと鎌研ぐとうさん一日の始め | 御塚 賢三郎 | 佐賀県 | 嬉野市 |
41 | 飛行機の窓から見えた遠花火無声映画のように静かで | 古賀 由美子 | 佐賀県 | 唐津市 |
42 | 近所では「できたお嬢さん」の娘は今日も猫をかぶって仕事へと行く | 吉住 紘雄 | 長崎県 | 佐世保市 |
43 | 忘れたら何もわからぬ方がいいふいに戻りて見つめぬように | 時任 勝正 | 宮崎県 | 宮崎市 |
44 | 川端の執筆の部屋あのあたり落日は今霧島に入る | 毛利 寿美子 | 宮崎県 | 児湯郡 都農町 |
45 | もういないあなたが育てた庭木なれば小枝引き寄せ声かけて剪る | 末永 タカ子 | 宮崎県 | 東臼杵郡 美郷町 |
46 | 雨上がり4つの弁当作る朝トマトを飾った結婚記念日 | 中尾 雅子 | 宮崎県 | 西臼杵郡 高千穂町 |
47 | 昭和に張り平成で煤けし電線を地中に隠し青戻り来る | 古川 久師 | 宮崎県 | 延岡市 |
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