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第19回若山牧水青春短歌大賞佳作入選作品(大学・一般の部)
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更新日:2021年12月16日更新
No. | 入選作品 | 氏名 | 都道府県 | 市区町村 | 学校名 | 学年 |
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1 | さよならを君に言うこと海溝の一番下で貝になること | 平松 泰輔 | 北海道 | 札幌市 | ||
2 | 「フラニーとゾーイー」 を借りたままなのに夏があなたを連れ去ってゆく | 田中 磬子 | 青森県 | 東津軽郡 蓬田村 |
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3 | 将来という字を我に例えれば少し不安な午後の図書室 | 佐々木 雄人 | 岩手県 | 盛岡市 | ||
4 | 残業の娘を待てば午前二時ラジオが伝えるモスクワは雨 | 柏屋 若子 | 山形県 | 山形市 | ||
5 | 蝶の昼授乳を終えし乳飲み子の眠れば開く両手の拳 | 柏屋 敏秋 | 山形県 | 山形市 | ||
6 | 見つめられれば女になっているらしい吾はブランコに腰かけてみる | 三津山 智香 | 茨城県 | つくば市 | ||
7 | カーテンの裾の短いアパートに満ち足りていた青春の恋 | 阿久津 孝子 | 茨城県 | 古河市 | ||
8 | 紫陽花の色が変わったことにさえ気づかずにいた転職の朝 | 関根 道子 | 茨城県 | 古河市 | ||
9 | あなたならいいがたくさん増えたから、近々あなたがいいになります | 山内 佳織 | 茨城県 | 結城市 | ||
10 | 訳もなく母は弟を叱ってた私も泣いた夏の夕暮れ | 北島 清子 | 茨城県 | 結城市 | ||
11 | 学食に友と並べば仕送りの母の紙幣は機械油染みおり | 青木 一夫 | 栃木県 | さくら市 | ||
12 | 旧姓はかっこの中に囲まれて君の名の載る名簿届きぬ | 川野 忠夫 | 群馬県 | 伊勢崎市 | ||
13 | 鈴の音がひやりと熱いブラインドサッカー我もそっと瞳を閉じる | 奈良 徹 | 埼玉県 | 行田市 | ||
14 | 夏みかんゼリーいくつもたいらげたあなた以外の夏がからっぽ | 阿部 圭吾 | 千葉県 | 市川市 | 早稲田大学 | 2 |
15 | 本たちが寝息をたてる閉架書庫さいごに触れた手の夢を見て | 澤井 みのり | 東京都 | あきる野市 | ||
16 | 祖母危篤の報に台湾へ飛ぶ便を探すバイトの事務室の隅 | 黄 郁婷 | 東京都 | 渋谷区 | 青山学院大学院 | 1 |
17 | 昼さがり山手線を二週半終えると僕は恐竜になる | 丸山 由生奈 | 東京都 | 世田谷区 | ||
18 | ふるさとの外れの寺の古壁に刻みし君の名うすく残れり | 傳田 不二男 | 東京都 | 西東京市 | ||
19 | 「ください」と言えなくなったパンの耳ずるい大人になってしまった | 澪那本気子 | 東京都 | 八王子市 | ||
20 | 日本語の通じぬ街で三日経ち表情ゆたかになった気がする | 朝山 ひでこ | 神奈川県 | 川崎市 | ||
21 | トラックは背走のまま集落の一本道をゆっくり走る | 柳川 維(※) | 神奈川県 | 秦野市 | ||
22 | 三つ折りにしていた跡が残る裾つんつるてんってへんな言葉だ | 佐々木 渚 | 神奈川県 | 横浜市 | ||
23 | きみとなら沈黙だってやわらかいラムネ色した空気になるの | 水野真由美 | 神奈川県 | 横浜市 | ||
24 | あどけなき孫は喜ぶ銀世界母の離婚の意味も知らずに | 田中 美鈴 | 岐阜県 | 恵那市 | ||
26 | 淡色を重ねて影を深くする透明水彩のような片恋 | 横井 和幸 | 愛知県 | 愛西市 | ||
27 | 積年のルートセールス圏内の町の景色は似てくるばかり | 今出 公志 | 愛知県 | 名古屋市 | ||
28 | 社員用裏階段で待ち伏せてくれていたのが始まりだった | 伊藤 弘子 | 愛知県 | 名古屋市 | ||
29 | 「赤紙」 を見詰めいし叔父二十二の姿のままで 「昔展」 に立つ | 上野 道雄 | 京都府 | 京都市 | ||
30 | 交差点渡る信号僕もまた肩尖らせたその他のひとり | 川崎 憲治 | 大阪府 | 大阪市 | ||
31 | 初恋という名の海に憧れるハマエンドウに我が身重ねて | 山野 大輔 | 大阪府 | 堺市 | ||
32 | ぼくたちはブランコ漕いで笑ってる地球最後の夜だとしても | 三浦 雅行 | 大阪府 | 三島郡 島本町 |
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33 | 色水となってしまったかき氷行き違った些細な一言 | 熊本 芳郎 | 山口県 | 周南市 | ||
34 | 羽根車は飛べることのない羽根回す車椅子に柄をつけられたまま | 中原 伸二 | 山口県 | 光市 | ||
35 | 言おうとし結局言えぬあの言葉サランラップがかけられたまま | 松本 進 | 山口県 | 光市 | ||
36 | 独り身の曲がりくねった人生の所々に失恋の跡 | 北内 康文 | 徳島県 | 小松島市 | ||
37 | 親不知抜歯のあとの喪失を埋めるためただサリンジャー読む | 古賀 由美子 | 佐賀県 | 唐津市 | ||
38 | 開拓を見限りて去りし人たちの畑が森にもどりつつあり | 市山 節子 | 長崎県 | 長崎市 | ||
39 | 口と口を合わせるようにくっつきて一つになりし雲を見ており | 舛田 美子 | 熊本県 | 熊本市 | ||
40 | 会いたいと言えない土曜の夜ぼくは布団の上でクロールしている | 野勢 絢子 | 宮崎県 | 宮崎市 | ||
41 | 病室に四度目の秋を迎えたる夫と見ている十六夜の月 | 本田 ツギ子 | 宮崎県 | 宮崎市 | ||
42 | 苦心して録音したる陽水のカセットテープにウグイスの声 | 上村 由美子 | 宮崎県 | 日向市 | ||
43 | 真四角を塗りつぶしていくような愛なんていらない我を奪えよ | 柴田 麻衣 | 宮崎県 | 日南市 | ||
44 | サスペンダーパチンと弾き気を入れる肌の凍える朝のルーティーン | 古川 久師 | 宮崎県 | 延岡市 | ||
45 | つつましき生活の金をおろすとき防犯カメラ正面に見つ | 浜松 栄一 | 宮崎県 | 延岡市 |
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