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第11回若山牧水青春短歌大賞佳作入選作品（高校生の部）

印刷ページ表示 更新日：2021年12月15日更新
 
No. 入選作品 氏名 都道府県 市区町村 学校名 学年
1 幸運も愛もいらない欲しいのは梨の歯触りみたいな毎日 柳澤 唯 北海道 函館市 函館高校 2
2 心地良くさらりさらりと流れてくる君に会いたい橙の風 成田 茜 北海道 函館市 函館高校 3
3 見たことも聞いたこともないジャングルで迷わず走る野生の数学 高橋 優音（※） 北海道 函館市 函館高校 3
4 耳元で笑う空気はいつの間に夏を手放していたのだろう 若林 麻友 北海道 函館市 函館高校 3
5 集中のとぎれる午後に見つめてるからりと晴れる空をぼんやり 沓澤 佳奈 山形県 最上郡
真室川町		 真室川高校 1
6 わからない君の気持ちがわからない君はいつでも斜めを向いて 岩岡 優季 茨城県 結城市 結城第一高校 2
7 失恋は重大事件ではありません百日紅は炎天の下 大島 歌穂美 茨城県 結城市 結城第一高校 2
8 帰り道ふらりと寄ったコンビニに赤いジャージの君がいたんだ 幸田 祐加子 茨城県 結城市 結城第一高校 2
9 大好きのその一言が言えなくて子犬のようにくるくる回る 中川 さやか 茨城県 結城市 結城第一高校 2
10 十六夜の月の明かりに映された私の影に見とれるあなた 羽鳥 沙矢子 茨城県 結城市 結城第一高校 2
11 先生の声よりずっと心地よいミンミン蝉の五時間目です 栗原 萌 茨城県 結城市 結城第一高校 2
12 春うららシャーペン片手に船を漕ぐノートの端では鯨が泳ぐ 小藏 夏菜 茨城県 結城郡
八千代町		 八千代高校 3
13 神無月もう会うことは無いでしょう共に過ごした夏の制服 竹本 款南 栃木県 宇都宮市 宇都宮北高校 3
14 なつまつり囃子のなかを駆ける子がさっと残した深い藍色 梅澤 朋代 神奈川県 横浜市 横浜共立学園高校 2
15 夏の夜窓から吹き込む雨風におもいだすのは古典の一節 稲村 美帆 神奈川県 横浜市 横浜共立学園高校 2
16 ベランダに白き腹見せ転がりぬ蝉しぐれの中死す蝉もあり 顧文瑜 神奈川県 横浜市 横浜共立学園高校 2
17 もう少し話しておけばよかったと動かぬ祖父見て初めて思う 金丸 恵美 神奈川県 横浜市 横浜共立学園高校 2
18 放課後に雑巾一枚持ったまま世界の平和考えている 大谷 愛 埼玉県 桶川市 桶川西高校 1
19 豆ご飯ふはとよそえば草笛の響きあう原茶碗の中に 石川 翔太 埼玉県 桶川市 桶川西高校 1
20 ニセアカシア浅き光がさしはじめ潜る蜜蜂背中の金色 野口 剛 埼玉県 桶川市 桶川西高校 1
21 夕暮れに朱色空色混じりあうところどころに雲混ざりながら 大西 佳歩 東京都 新宿区 学習院女子高等科 1
22 秋の暮れどうせ私はもてないと緑茶のみつつ母につぶやく 泉田 浩子 東京都 世田谷区 昭和女子大学附属昭和高校 2
23 坊主子が風に逆らい腕を振りラジオ体操へ走ってゆけり 宮崎 沙耶香 長野県 飯田市 飯田女子高校 3
24 だれからも音沙汰無い夏の午後風に包まれ「告白」を読む 猪狩 侑里 長野県 飯田市 飯田女子高校 3
25 祖父の部屋碁盤に打ち込む石音を聞いて眠った幼き頃よ 宮本 奈実 岐阜県 飛騨市 飛騨神岡高校 1
26 二人だけ昇降口で立ち止まる「またね」の言葉がもったいなくて 宮之腰 楓 岐阜県 飛騨市 飛騨神岡高校 1
27 ざくざくと月照り返す雪を踏み庭はさながら白黒映画 大林 桂 静岡県 沼津市 加藤学園暁秀高校 2
28 エナメルのかばんの中の夢たちが呼吸している放課後の道 鈴木 加成太 愛知県 瀬戸市 昭和高校 2
29 休み時間うまく描けた落描きが愛着わいてすぐに消せない 内藤 桃香 三重県 津市 津高校 1
30 夕暮れに立秋の風感じつつあなたと二人線香花火 西谷 龍二 三重県 津市 津高校 1
31 雨雲の上に広がる天の川心に描き雨音を聞く 田中 真理子 三重県 津市 津高校 1
32 友達と別れた途端にため息が無理をしていた自分にきづく 松本 侑子 三重県 津市 津高校 2
33 背が高くサラサラヘアー黒メガネ数学担当杉村先生 田中 佑佳 三重県 津市 津高校 2
34 合唱と部活のかけ声ひびかせて夕日のさしこむ書道室 小津 有瑠夢 三重県 津市 津高校 2
35 中庭のカラスの兄弟たわむれる見とれて途切れる数学の式 若井 大志 三重県 津市 津高校 2
36 ゆったりと無人の廊下を吹き抜けて少し冷たい放課後の風 吉川 みのり 滋賀県 湖南市 甲西高校 1
37 桜からはなびらが散る複雑な春が終わって夏がはじまる 田中 悠子 滋賀県 湖南市 甲西高校 1
38 巫女服をひらりとゆらしふりかえるその光景にみとれるばかり 山野 善行 京都府 伏見区 伏見工業高校 3
39 夕暮れの壁に残りし蝉の殻ひそかに揺らし風渡り行く 堀部 友理 兵庫県 西宮市 武庫川女子大学附属高校 2
40 書道部の合宿中に見つけたよ嗚呼あの声は本物だろう 南賀 茉里 兵庫県 西宮市 武庫川女子大学附属高校 2
41 蝉の声遠く儚く聞こえては夏の暑さの語り部のよう 向井 文香 兵庫県 西宮市 武庫川女子大学附属高校 2
42 外を見るフリしていつも君を見た隣の席の君が青春 栄藤 真愛 兵庫県 西宮市 武庫川女子大学附属高校 2
43 おぼろ月雲に隠れて淡いままこぼれぬようにもらさぬように 川崎 葵（※） 兵庫県 西宮市 武庫川女子大学附属高校 2
44 窓越しに見上げた空は曇天でぽつりぽつりと心を濡らす 和泉屋 繭 広島県 広島市 大手町商業高校 1
45 生きたぞと言わんばかりの死に様ででんと横たう蝉が一匹 奥田 公美 広島県 広島市 広島大学附属高校 1
46 幼い日母の背中が目の前に今目の前ににじむ石塔 高本 めぐみ 山口県 山陽小野田市 厚挟高校 3
47 夕立に庭の木の葉が跳ねるのを今は一人私だけ見る 内藤 美月 山口県 山陽小野田市 厚挟高校 3
48 麦わらの帽子おさえてかけ回る夏のにおいをかき混ぜながら 井坂 文音 徳島県 徳島市 城東高校 2
49 溶けかけのアイスを捨てて走り出す暑さの中で青に沈んで 淵本 麻侑 徳島県 徳島市 城東高校 2
50 満月の夜に吹く風は生ぬるいあの日に消えた君の体温 三村 由美 徳島県 徳島市 城東高校 2
51 窓の外の庭のいちょうを見てたのは泣いてる僕と一冊の本 伊勢 弘 徳島県 徳島市 城東高校 2
52 孤独とは誰もがみんな隠すものちょうど真昼の月のように 近藤 暢朗 徳島県 徳島市 城東高校 2
53 夏至の雲見つめ再会待っているまた鳴り出したからくり時計 山下 舞子 愛媛県 松山市 済美平成中等教育学校 4
54 あじさいに雨のしずくはてんてんとでんでん虫が初夏を知らせる 亀山 千夏 福岡県 福岡市 福岡女学院高校 3
55 夕焼けの白い光に包まれて遠ざかりゆく母の影を見る 城戸 亮子 福岡県 筑後市 八女高校 2
56 授業中こっそり開く世界地図今日は何処へ旅に出ようか 三苫 香菜恵 福岡県 筑後市 八女高校 2
57 唐津から茂吉も見たか玄界灘八十年経て吾が見てをり 菊池 隆元 佐賀県 唐津市 早稲田佐賀高校 1
58 送り火の煙の行方見守りし祖母の背中にそっと寄り添ふ 久村 勇介 佐賀県 唐津市 早稲田佐賀高校 1
59 授業中チョークの音だけ耳入る私の目線はグラウンドでした 園田 里緒 長崎県 長崎市 長崎女子高校 2
60 山のようなみどりがおい茂る深い深いつよさになりたい 薄田 里佳 長崎県 長崎市 長崎女子高校 2
61 下り坂急ブレーキかけたなら夕日へダイブしそうで怖い 酒見 雅弘 長崎県 長崎市 長崎工業高校 1
62 枇杷色に窓々を染める大夕日茜雲が川を流れる 平井 恒輝 長崎県 長崎市 長崎工業高校 1
63 赤トンボ火の粉のように飛び交って夕日のグラウンド五周目に入る 永田 巧 長崎県 長崎市 長崎工業高校 1
64 庭中の雨のあじさい眺めてる夏を呼んでる花のあじさい 山口 翔太 長崎県 長崎市 長崎工業高校 1
65 ザリザリとヤスリかければ木材の香り漂う実習時間 品川 誠郷 長崎県 長崎市 長崎工業高校 2
66 爆竹を投げて寂しさまぎらわせ精霊船を海へ引きゆく 山添 公太郎 長崎県 長崎市 長崎工業高校 2
67 部活動終わってみると月光が下校路の隅まで照らしてくれる 白浜 悠成（※） 長崎県 長崎市 長崎工業高校 2
68 目と心の力を信じてヤスリがけ機械で削った修正をする 尾崎 龍成 長崎県 長崎市 長崎工業高校 2
69 反抗期自家中毒してジガジガの気持ち素直になれない少年 神岡 秀行 長崎県 長崎市 長崎工業高校 3
70 いちょうの葉が舞い落ちる大通り黄色い大きい渦になり走る 池角 雄貴 長崎県 長崎市 長崎工業高校 3
71 きれいさっぱり思い出したくない忘れたい日記に書かず別のこと書く 吉川 智也 長崎県 長崎市 長崎工業高校 3
72 旋盤の切り粉熱さにもだえ飛ぶ様を見つつレバーを倒す 小田 幸裕 長崎県 長崎市 長崎工業高校 3
73 回路図のからまる電線つないでは組み立て頭の芯が痛い 宮島 卓也 長崎県 長崎市 長崎工業高校 3
74 制服が黒から白へオセロの日いつの間にか季節は巡る 岩永 教代 長崎県 長崎市 長崎工業高校 3
75 好きだよの翻訳は不可能でなんとなく二人で過ごす時間 山下 勇士 長崎県 長崎市 長崎工業高校 3
76 夕空を折り返し飛ぶ赤とんぼ追いかけながら急ぐ下校路 池田 和輝 長崎県 長崎市 長崎工業高校 3
77 秋風に香る桜がありまして優しい風にふくれる秋桜 峰 貴彦 長崎県 長崎市 長崎工業高校 3
78 横たえた木を挽く度にやすらぎの香りが広まる実習室に 坪井 正治 長崎県 長崎市 長崎工業高校 3
79 水かげろう天井に揺れ燃えている池の水が白く反射して 小山 智美 長崎県 長崎市 長崎工業高校 3
80 散らばった地面いっぱいの紅葉をめくり上げて突風が吹く 谷口 花梨 長崎県 長崎市 長崎工業高校 3
81 さよならと言えずに手を振る赤トンボ駅のホームに飛び交っている 西川 志穂 長崎県 長崎市 長崎工業高校 3
82 捨てられて浜に錆てる自転車のタイヤが風でふらふら回る 浦川 さくら 長崎県 長崎市 長崎工業高校 3
83 信長に斬られる夢見た五時間目かすかに聞こえる『本能寺の変』 工藤 涼平 大分県 大分市 情報科学高校 1
84 両の手に伝わる熱さが嬉しくて君からもらったココアが飲めない 沓掛 育美 大分県 大分市 情報科学高校 3
85 君の顔笑顔がいいと思ってたまじめな顔も案外いいな 板垣 竣也 宮崎県 宮崎市 宮崎北高校 2
86 しあわせそういろんな人に言われるが実際私は笑っているだけ 矢野 英里奈 宮崎県 宮崎市 宮崎北高校 2
87 将来の夢の具現化できましたそういう台詞を言う夢を見た 南畑 貴史 宮崎県 都城市 都城工業高校 1
88 旋盤でずれないように削ってくいい作品になった文鎮 久留 拓真 宮崎県 都城市 都城工業高校 1
89 寄せては返す君への想いが最終電車を揺らし続ける 恒松 勇磨 宮崎県 都城市 都城工業高校 3
90 糸たらし水の太鼓に耳澄ます竿の先端動き始める 甲斐 元晃 宮崎県 西臼杵郡
高千穂町		 高千穂高校 3
91 白黒の余韻が残るエンディングリプレイ押して何度も楽しむ 藤原 弘嗣 宮崎県 延岡市 尚学館高等部 1
92 スカートとのばした髪がふわふわり頬杖ついた彼女の横顔 須藤 亜未 宮崎県 延岡市 尚学館高等部 1
93 念願の彼の隣の席になりいつもより綺麗にノートをとった 甲斐 蘭七 宮崎県 延岡市 尚学館高等部 2
94 帰り道一人で歩き見上げればずっと広がる絵のような空 田中 奏 宮崎県 延岡市 尚学館高等部 2
95 席替えで窓際の席になってから空のいろんな表情を見た 山本 菜央 宮崎県 延岡市 尚学館高等部 3
96 来年はこことは違う場所にいるひぐらしの音が心にしみるよ 猿川 寛大 宮崎県 延岡市 尚学館高等部 3
97 見るだけで満足していたはずなのに話すたびに思いが増してく 元丸 彰爵 宮崎県 延岡市 延岡工業高校 1
98 消しゴムが凄いペースで縮んでく今年の夏は頑張ったなあ 松田 圭太 宮崎県 延岡市 延岡工業高校 2
99 夏休み川に飛び込む子どもたちとび散る水が波紋をつくる 炭倉 一樹 宮崎県 延岡市 延岡工業高校 2
100 どこだろうふうりんを聞くと思い出す日々うすれてく父さんのにおい 安部 昴代 宮崎県 延岡市 延岡工業高校 3

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