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第9回 若山牧水青春短歌大賞佳作入選作品(大学・一般部門)

印刷ページ表示 更新日:2021年12月14日更新
 
No. 入選作品 氏名 都道府県 市区町村 学校名 学年
1 あの時の一言消せる消しゴムがあったら今が違ったかな 荒井 佳子 茨城県 板東市    
2 手の中の青き林檎を照らしてる大きな夕日静かに沈む 大野 美波 埼玉県 入間市 武蔵野大学 3
3 つまずいて使いのタマゴ割った僕祖父が出てきて叱った小石 上中 直樹 千葉県 千葉市    
4 亡き夫の愛せし人の文殻をくちなし匂ふ庭に燃やしぬ 旭 千代 千葉県 茂原市    
5 揺れている霊現象の映像にプッチーニの曲なぜか似合って 松本 和子 東京都 世田谷区    
6 溶けていくソフトクリーム急ぐんだふたりでのぼる螺旋階段 字引 章 東京都 八王子市    
7 白鳥の羽根の軽さで好きと言う君のとなりにわたしは居ない 赤羽 絵里加 東京都 国分寺市    
8 バラ園にバラの花咲きバラ園にバラの匂いのアイスが売らる 臼井 東生 神奈川県 茅ヶ崎市    
9 図書館の窓より見ゆるグランドに汗まみれにて君の走れり 小林 みさ子 新潟県 新潟市    
10 夕映の百塔の町輝きて夫の手あつくわが肩にあり 湯浅 弘 静岡県 浜松市    
11 教室の窓より桜の舞ひ込みて授業の緊張かすかにゆらぐ 横井 光太郎 愛知県 愛西市    
12 息子にも叔父にも祖父にも似ていない父の写真が一枚残る 山縣 みさを 三重県 名張市 大阪樟蔭女子大学 1
13 緑の田そよ風草を分けしとき麦わら帽の二つあらわる 川邉 昭夫 滋賀県 大津市    
14 夕暮れの駅で男の人が提ぐヒロタのシュークリームの袋 柳川 佳子 兵庫県 西宮市    
15 湯上りに手足二十の爪を切る子供らに似て不揃の指 後藤 和代 兵庫県 丹波市    
16 緩やかなる階段なれば背を反らし王妃のごとく上りゆくなり 長田 京 広島県 広島市西区    
17 膝折って「愛に恥などあるもんか」啖呵を切った夏を忘れず 重川 敏子 徳島県 板野郡北島町    
18 フクシアの花のドレスを身に羽織りふわりと浮かびあなたのもとへ 野藤 みちこ 愛媛県 松山市    
19 「暑かろう」と編んだばかりのすげ日除け新芽に掛けゆく父の後ろ姿 山口 眞理子 愛媛県 北宇和郡松野町    
20 犯罪者の成育歴を読んでゆく彼に青春なかったのだなあ 山本 晶子 高知県 高知市    
21 宅配の夫拾いて持ち帰るテーブルの上栗の実二つ 吉本 清子 長崎県 佐世保市    
22 往診は週に三日の刈田道八代の秋いよよ深まる 持永 瑞惠 熊本県 八代市    
23 くる秋を頬に覚えり朝刊を受ける我が辺に萩の花揺る 鈴木 順子 宮崎県 宮崎市    
24 生れてより八時間たつ新生児顔半分の大欠伸せり 田中 文子 宮崎県 日向市    
25 かぶとむし角あることのかなしさよ脚を目一杯ひろげて歩む 長友 聖次 宮崎県 宮崎郡清武町    
26 テレビ観て爆笑した後残るのは独り暮らしのむなしさだけです 野上 実那子 宮崎県 延岡市 九州保健福祉大学 2