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第8回 若山牧水青春短歌大賞佳作入選作品(大学・一般の部)
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更新日:2021年12月14日更新
No. | 入選作品 | 氏名 | 都道府県 | 市区町村 | 学校名 | 学年 |
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1 | たった今君の使いしペン借りる温みの残る君を握りぬ | 三ツ谷 重次 | 北海道 | 函館市 | ||
2 | 鬼灯を鳴らしてわれとすれ違うお下げ少女はメロンの香せり | 田村 三之助 | 青森県 | 八戸市 | ||
3 | 降り積もる雪堀りおこし草を食み北の原野に寒立馬黙す | 大橋 照子 | 青森県 | 八戸市 | ||
4 | 紙折れば飛行機になる鶴になる日本人は翼が好きで | 渋谷 史恵 | 宮城県 | 多賀城市 | ||
5 | 思ってもどうにもできないこともありショパンの小夜曲繰り返し聞く | 羽場 いづみ | 長野県 | 長野市 | ||
6 | ノート取る僕の隣りで寝ていたねあの教室も無くなるんだよ | 斎藤 洋子 | 千葉県 | 千葉市 | ||
7 | 男装しわれを背負ひて引き揚げし母の墓上に黄砂降りをり | 小林 明子 | 千葉県 | 茂原市 | ||
8 | この家はお孫さんより生きますとぐい呑み干して棟梁笑う | 松川 靖 | 埼玉県 | 鴻巣市 | ||
9 | 差し出した囮の足にまだ吸はぬ蚊を叩きたり茄子を焼きつつ | 松井 須美江 | 東京都 | 港区 | ||
10 | 鮭撒くアイヌの老婆口に端にショートホープのフィルターを嚙み | 小池 陽慈 | 神奈川県 | 横浜市 | ||
11 | 図書館の北から始まる電話帳Fで止まって貴方の住む街 | 石尾 愛子 | 神奈川県 | 伊勢原市 | ||
12 | 受話器越しに元気かと訊く声色は僕の「君は?」の言葉を待っている | 白井 智子 | 神奈川県 | 厚木市 | ||
13 | むらきもの心がわりがせつなくてケーキ三個を一気食いする | 村松 建彦 | 静岡県 | 掛川市 | ||
14 | 登り坂ペダル踏みしめ加速する古希の体力励ましながら | 瀧 淑子 | 静岡県 | 静岡市 | ||
15 | 放たれし百の風船真っ先にあをきが春の空へ溶けゆく | 横井 和幸 | 愛知県 | 愛西市 | ||
16 | しっかりと我の生き方見てくれる人と過ごして冬日和なり | 横井 さかゑ | 愛知県 | 愛西市 | ||
17 | あの路地を入っていけば秘密基地昔は大きく見えたこの場所 | 菅嶋 未貴 | 京都府 | 京都市 | 佛教大学 | 3 |
18 | パン屋の前通る時ついのぞき見るわれ店しめて十五年経つ | 青木 明子 | 兵庫県 | 神戸市 | ||
19 | 映画ならどうぞと傘が出る様な突然の雨必然の恋 | 種田 淑子 | 兵庫県 | 明石市 | ||
20 | 果物は大きい方がおいしいときみは言ったね二個入りの桃 | 井上 政彦 | 鳥取県 | 鳥取市 | ||
21 | 「寿限無寿限無」と歌うて戻る児の声のたかく透りて秋よと思ふ | 谷本 史子 | 岡山県 | 笠岡市 | ||
22 | 見覚えのある右下がりの癖の字にあの夏の日のトマトの香 | 今日 真理 | 徳島県 | 徳島市 | ||
23 | 若き人ら車にも馴れゐてはじめての田植機もすいすい植え行く | 白石 通保 | 愛媛県 | 今治市 | ||
24 | 山に入る日の短きをかこちつつ妻と今日もまた稲を刈りゆく | 高橋 博(※) | 愛媛県 | 松山市 | ||
25 | ひらひらと白き蝶去る針の先ほどの卵の一つを生みて | 多田 京子 | 山口県 | 下関市 | ||
26 | 秋天をかぐやは発てり月に向けわれも名付けの一人にてあり | 赤松 菊夫 | 福岡県 | 北九州市 | ||
27 | 振り向かず去る君の背へ草の矢を放つ大阿蘇高原の秋 | 吉村 金一 | 佐賀県 | 鹿島市 | ||
28 | 節太き亡父の手撫でて涙する母を叱りて柩を閉じる | 原峻 一郎 | 佐賀県 | 佐賀市 | ||
29 | 七人の敵もうあらず肩を張ることなく街を妻と歩めり | 山道 正登 | 長崎県 | 長崎市 | ||
30 | 秋晴のコスモス揺るる往診路患家目指して真っ直ぐ延びる | 持永 瑞惠 | 熊本県 | 八代市 | ||
31 | ”BG”の吾が幼き弟に買ふてやりたる蝶類図鑑 | 津田 千枝子 | 熊本県 | 熊本市 | ||
32 | 下刈りの檪の山にある窪み先人の生業炭窯の跡 | 佐藤 政俊 | 大分県 | 竹田市 | ||
33 | 昼飯にしようと夫の呼ばふ声なすの草とる真昼の空耳 | 川口 トシ子 | 宮崎県 | 宮崎市 | ||
34 | 家庭教師の帰りを君の待ちくれてシリウスに対き長く歩めり | 小池 洋子 | 宮崎県 | 宮崎市 | ||
35 | さよならの後にはいつも耳澄まし受話器置く君を感じていたよ | 熊田 新子 | 宮崎県 | 宮崎市 | ||
36 | 廃線の駅のホームに色褪せてベンチまだあり汽車が来るかも | 上之園 信子 | 宮崎県 | 延岡市 | ||
37 | 改修のなりたる川が恐ろしき水量もちて目の前奔る | 九鬼 勉 | 宮崎県 | 延岡市 |
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