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第2回 若山牧水青春短歌大賞佳作入選作品(大学・一般の部)
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更新日:2021年12月13日更新
No. | 入選作品 | 氏名 | 都道府県 | 市区町村 | 学校名 | 学年 |
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1 | 風立ちて匂へる初夏の梅の実をあをあをと見る我二十歳なり | 味田 恵里香 | 東京都 | 昭和女子大 | ||
2 | あの空の雲のひとつはそう僕が礫のごとく投げた孤独だ | 小野田 裕 | 三重県 | 皇學館大 | 4 | |
3 | 老犬が吠えて私の足取りをたしなめられているような午後 | 川島 愛加 | 大阪府 | 大阪大 | ||
4 | 月光で青く染まった部屋の底魚が一匹物思いする | 今井 瑛美 | 奈良県 | 奈良女子大 | ||
5 | 青春という字に横棒多いのはハードルたくさん跳ぶからだろう | 磯合 真弓 | 広島県 | 広島女学院大大学院 | ||
6 | 極楽寺・長谷・由比ヶ浜 江の電は十九の我の鼓動をのせて | 桑山 久爾子 | 山形県 | |||
7 | クシャミして後ろを見たら猫がいてくしゃみしている秋の夕暮れ | 川島 雅俊 | 茨城県 | |||
8 | 終業のチャイムに今宵も送られて長距離トラック校門を出づ | 為我井 節 | 茨城県 | |||
9 | 時ながく夫の見てをり脳卒中に倒れて返す猟銃許可証を | 阿部 美代子 | 群馬県 | |||
10 | 終りなき介護の夜更け食べ残しの食器洗えば水ぬるみおり | 本山 實枝子 | 千葉県 | |||
11 | 若き日に思いを寄せし人のあり雪降る町の駅は寂しき | 宇田川 きい子 | 千葉県 | |||
12 | 車椅子押せばあなたの視界には私がいないいつもだけれど | 丸山 清美 | 千葉県 | |||
13 | あの畑に菜の花が黄色のかたまりとなりて咲き君さりてまだ二週間 | 東郷 晴代 | 千葉県 | |||
14 | 庭に生ふ紫蘇のむらさき素麵にひとつまみして妻が差し出す | 秋葉 雄愛 | 東京都 | |||
15 | 次に逢ふは何の花咲く頃ならむ花冷の夜の駅に別れぬ | 高橋 キン | 東京都 | |||
16 | 紫蘇の実を手扱きしおれば青虫の小さきが甲を這い始めたり | 大友 道夫 | 神奈川県 | |||
17 | 蜥蜴の子指に挟みて少年は計算式を教室に解く | 宮田 喜子 | 神奈川県 | |||
18 | 電子地図の画面にて見つふるさとの廃屋となれるわれの生家を | 豊田 三佐子 | 大阪府 | |||
19 | 遺された母の短歌に若き日の灯の匂いする朱が引いてあり | 宇井 久 | 大阪府 | |||
20 | 暮れゆきてなおかすかなる光あり木槿の花は白く浮き立つ | 大崎 久丸 | 兵庫県 | |||
21 | 他の人を住まわせている君の目が我の微笑み映しとまどう | 内田 みゆき | 兵庫県 | |||
22 | 紫の地に歌染めし風呂敷の喜志子とあるを大切に持つ | 米田 千賀子 | 島根県 | |||
23 | 夕暮れの制服を見て想い出す自転車をおす彼の背中を | 坂井 一仁 | 島根県 | |||
24 | シャッターの少し上がりし銀行の中モップとズックが行ったり来たり | 丸尾 東洋子 | 岡山県 | |||
25 | かくれんぼの鬼を何度もくり返し僕の魂が抜ける午後五時 | 猪原 丸甲 | 岡山県 | |||
26 | 少年は自転車止めて山百合を摘みリュックサックに挿して帰りぬ | 篠原 和子 | 岡山県 | |||
27 | 「だいじょうぶすぐわかるから」一本の水仙のごと立つ君の背は | 有木 裕子 | 広島県 | |||
28 | 代搔くと馬鍬につきゆく足の上ぽあんぽあんとお螻蛄は浮かぶ | 音羽 晃 | 山口県 | |||
29 | 病院の裏庭に咲く石蕗の花ひとところだけ保つ明るさ | 小曽戸 フサエ | 山口県 | |||
30 | 朴の葉の散れば顕ち来ぬ夕光に刀の鞘を作る祖父の背 | 上田 一夫 | 福岡県 | |||
31 | 遠き日のかすかな記憶教科書のインクの匂い牧水の短歌 | 和田 敦子 | 福岡県 | |||
32 | 友の死をいはねば友の在るごとし水無月文月死のこといはず | 吉村 金一 | 佐賀県 | |||
33 | 兄の忌にみどり児ひとり加わりてうからの手から手に渡りゆく | 前田 よう子(「よう」は火へんに華) | 熊本県 | |||
34 | 夜明けとう駅ありしかな若き日に何ゆえ一人旅などをせし | 冨永 美津子 | 大分県 | |||
35 | ふと夜半に目覚めて家に灯りつけ言いようの無い紛らわしおり | 大上 文紘 | 大分県 | |||
36 | 部屋に入る日差しに迷う蝶二つ鏡に映るコスモスの上 | 稲木 政子 | 鹿児島県 | |||
37 | 牧水の生家前と言う停留場乗る人もなくバスは過ぎ行く | 黒木 美帆 | 宮崎県 | 宮崎市 | ||
38 | 鳰 の文字を辞典に病室の友と語らひ暫し和めり | 日高 葉子(※) | 宮崎県 | 宮崎市 | ||
39 | 遙かなる曠野思ほゆシベリアのかの矢車草の咲ける五月よ | 久保 忠 | 宮崎県 | 都城市 | ||
40 | この雨の音をあなたは聞いているそんな気がして耳を傾く | 安楽 睦代 | 宮崎県 | 都城市 | ||
41 | 交叉する用水暗渠の渦にいて逃れむとする芥がひとつ | 作元 仁 | 宮崎県 | 日南市 | ||
42 | 狂わざる手秤という重さ当てのかぼちゃの前に母うずうずと | 山脇 恵乙子 | 宮崎県 | 日南市 | ||
43 | ロケットの打上げすみし島畑の落花生とどく土つけしまま | 岡田 美奈 | 宮崎県 | 日向市 | ||
44 | おねこぐさかれてしまえば銀うぶ毛賢治の本に思い出されり | 甲斐 みつぎ | 宮崎県 | 日向市 | ||
45 | 柿の皮器用に鎌で剝き終へぬはじめの一つ夫はくれたり | 山崎 レイ子 | 宮崎県 | 日向市 | ||
46 | ストレスに三角四角の角が立つ夕ぐれ無性に庭掃きはじむ | 越中 谷祥子 | 宮崎県 | 串間市 | ||
47 | 二十年蔵ひおきし学習ノート今日すべて焼く亡き子に詫びつ | 上野 千代子 | 宮崎県 | 田野町 | ||
48 | 集う子に夕べの米とぐ倖せの五合の量の手に伝いくる | 西島 文代 | 宮崎県 | 高鍋町 | ||
49 | 目を太く口を真っ赤にクレヨンで孫に書かれし似顔絵を貼る | 末永 タカ子 | 宮崎県 | 南郷村 | ||
50 | この園を守りきれぬと知りながらリハビリの妻と手鎌を握る | 阿部 弘 | 宮崎県 | 延岡市 | ||
51 | 雨あがり光と影がもつれ合ふ並木の道を車椅子ゆく | 増井 勲 | 宮崎県 | 延岡市 |
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