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10.国指定史跡 南方古墳群(天下支群)
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更新日:2021年8月1日更新
国指定史跡 南方(みなみかた)古墳群(天下(あもり)支群) 所在地:天下町
1943(昭和18)年9月8日指定
国指定史跡 南方古墳群は、五ヶ瀬川流域に広く分布する総数41(現存38)基の古墳の総称であり、小規模な支群に分かれる。
天下(あもり)支群は、五ヶ瀬川が大きく蛇行する地点に分布し、見晴らしの良い台地(上ノ原台地)上に展開する9基の古墳(1~9号)と、北側の丘陵に存在する10号、約700メートル北西にある40号(経塚山(きょうづかやま))で構成されている。
1号は全長約70メートルの前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)であり、前方部が低平で細長い形態から、九州南部に典型的な南九州型の前方後円墳であると指摘されている。2号は方墳とみられ、露出している巨石は横穴式(よこあなしき)石室(せきしつ)の一部と考えられている。大正時代の鳥居龍蔵(とりいりゅうぞう)氏の調査により3・4・7・8号からは凝灰岩(ぎょうかいがん)製の石棺や銅鏡・鉄製品などが出土している。全長約80メートルの前方後円墳の10号の調査では主体部(粘土槨(ねんどかく))から刀・剣・玉類が出土している。40号の調査は昭和4(1929)年に行われ、2基の横穴墓から土器や玉類が出土している。
天下支群は、10号墳や1号墳の築造を皮切りに古墳時代前期~後期を通じて継続的に古墳が築かれたと考えられ、五ヶ瀬川流域の中でも有力な集団の墓地であったとみられる。
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