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市民の皆さんに知ってほしい 地域医療を取り巻く課題

印刷ページ表示 更新日:2016年9月1日更新

今、地域医療を取り巻く環境は大変厳しくなっています。

ここでは、地域医療における課題についてお知らせします。

1.医師数の絶対的不足

2008年の調査では全国の医師総数は約286,000人。

一見多いように見えますが、日本は人口1,000人あたりの医師数が2.2人と先進7か国中カナダと並んで最下位でOECD(経済協力開発機構)加盟国のうちデータのある27か国の中でも24位と極めて少ないことがわかります。

仮に人口1,000人あたりの医師数をOECD加盟国平均の3.1人にまで引き上げるとすると、現在の医師数を約1.4倍に増加させる必要があり、約110,000人の医師の増員が必要となります。

国も大学医学部の定員増員など対策に乗り出していますが、一般的の医師の養成には10年以上の期間が必要となることから、当面は厳しい情勢が続くと言われています。

先進7カ国の人口1,000人当たりの医師数

2.新医師臨床研修制度の影響による大学医局の医師不足と地域偏

平成16年度から始まった新しい研修医制度は、医師国家試験に合格した後、2年間の臨床研修を義務化しましたが、研修医が研修先を自由に選べる制度とされたため、それまで大学で研修していた研修医が大学を離れる状況が生じています。

これにより、大学も医師不足になりました。そのため大学が、地方病院などに派遣していた医師を引き上げることになり、結果的に地方病院の深刻な医師不足を招くことになりました。

3.安易な時間外受診患者の増加などによる医師や看護師の過重労働

今、夜間・休日の安易な受診や訴訟などの増加、患者のさまざまな要望、患者からの暴言などにより、医師や看護師が過重労働にさらされています。

そのため、医師が疲れ果てて耐え切れずに退職し、残された人にさらに負担がのしかかってくる悪循環となることが医療崩壊を招く一因となっています。