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国民健康保険の高額療養費の算定誤りについて
令和5年2月診療分から令和6年2月診療分までの国民健康保険の高額療養費支給対象者のうち21世帯21名の被保険者の方について算定誤りがあることが判明し、そのうち18世帯18名の方に本来支給されるべき金額が支給されていないことが判明しましたので報告いたします。
対象の方々、さらに市民の皆様に対し深くお詫び申し上げます。
【概 要】
高額療養費は、被保険者が1ヶ月に医療機関等に支払った自己負担額が高額になった場合に、世帯の所得等に応じて算定する自己負担限度額を超えた支払額分を支給する制度です。
今回、高額療養費の算定に一部誤りがあることが判明したため、レセプト保存期間である過去5年間に遡り、高額療養費の算定について全件調査を行ったところ、現在の事務処理標準システム(以下、「新システム」という。)を導入した令和4年10月以降の、令和5年2月診療分から令和6年2月診療分までの高額療養費のうち21世帯21名の被保険者の方について算定誤りがあったことが判明しました。
【今回の原因】
本市では令和4年10月に、現在の新システムを導入した結果、国保連合会の国保情報集約システム(以下、「集約システム」という。)と情報連携ができなかった被保険者情報の再連携を行うには、被保険者の「資格情報」と「世帯所得区分情報」の二つの情報ファイルを送信するように作業工程が変更になったことを認識していませんでした。このため、旧システム時に行っていた再連携の情報ファイル送信方法で処理をし、高額療養費の算定に必要な「世帯所得区分情報」が「集約システム」側と連携できず、算定誤りが生じました。
さらに、被保険者情報等を集約する国保連合会の「集約システム」では、このようなエラーが生じることを想定し、チェックリストを作成していましたが、このリストは市町村の依頼により国保連合会が作成するものでした。本市では、このチェックリストがあることを認識しておらず、チェックリストの作成依頼をしておりませんでした。そのためエラーの解消ができず、本来の自己負担限度額ではなく、最も高い所得区分の自己負担限度額として算定してしまい、本来は高額療養費として支給されるべき金額が支給されていませんでした。(なお、連合会によりますと、これまで高額療養費算定に係るチェックリストの作成依頼は他市町村からも行われていないようです。)
【対象者及び金額】
・対象者数 … 21世帯21名
・影響額… 569,239円
(内訳)
・被保険者への未支給件数・金額…18世帯18名 228,541円(一人当たり84円~36,334円)
・重度心身障がい者医療費の返還…3世帯3名 340,698円
※上記内訳のうち、重度心身障がい者医療費の返還については、重度心身障がい者医療費助成制度によるものであり、対象者への未支給はなく、制度を所管する障がい福祉課に返還するものになります。
【今後の対応】
対象の方々については、すでにお詫びと説明を行っており、高額療養費対象金額の支給を行います。
また、「世帯所得区分情報」が未連携の被保険者については、令和6年7月支給分から正当な支給額が算出できるよう、情報修正作業を行いました。
【再発防止策】
(1)連携出来なかった情報の再度の連携処理に係るマニュアルを作成し、今後連携漏れが生じないように作業工程の改善と引継ぎの徹底を図ります。
(2)システム間の情報連携により生じるエラーについては、国民健康保険の業務ごとにチェックリストの確認を行い、何故このエラーが出ているのか、このエラーが他に影響することがないかを確認する意識の徹底を図ります。
(3)システムの連携及び連携によって生じるエラーに係る研修を行い、職員の事務処理ミスをなくす意識の徹底を図ります。
【引き続き調査を行うことについて】
今回の発表は、現在(令和6年7月16日時点)までに判明した事実や関係機関への聞き取りに基づいて行っておりますが、同じシステムを導入している他市町村で同様の事例が確認されていないのは何故なのか等を更に調べる必要がありますので、引き続き調査を継続して原因を追究し、新たな事実等が判明した場合には、その事実と当該事実に対応した再発防止策を発表いたします。