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ホタル物語「ホタルQ&A」

印刷ページ表示 更新日:2021年8月1日更新

>ホタル物語

Q1.ホタルとはどうゆう生き物なのですか?

ホタルの画像1

ホタルは、甲虫科に属する昆虫で、足が3対の6本あり、体は頭・胸・腹の3つからなっています。

現在、世界中には約3000種類が棲息していると言われており、日本列島でも44種類のホタルが確認されています。

ホタルの一生は、卵・幼虫・さなぎ・成虫と変化し、私たちが一般に目にしているホタルは成虫の段階のものです。

また、世界中には体長が8センチメートルと巨大になるものや、オスとメスで発光色の異なるもの、成虫になっても羽根がないものなど、様々なホタルが棲息しており、これからも新種が発見されると予想されます。

しかし、一方では深刻な世界的環境破壊により、絶滅している種類も多く、各地で保護運動が盛んになっています。

Q2.なぜ「ほたる」という名前がついたのですか?

かご

「ホタル」と言葉が最初に記されたのは日本書紀(720年)で、平安時代にはすでに「螢」と呼ばれていました。

「ホタル」の由来については、いろいろな説があるのですが、ここでは2つの説を上げてみます。

1つ目は、「ホは火なり、タルは垂なり」ということで、ホタルは「火垂」、すなわち、火を垂れる虫ということであり、これは発光するホタルが火を垂れているように思えたからです。

2つ目は、「ホタルは尾端から火を垂れるのだ」と、昔の人は早合点して、火垂れ虫、ヒタレ、ホタレ、ホタルという言葉が生まれてきたということです。

このように、「ホタル」という名前の由来は、はっきりと分かっていないのですが、ただ一つだけ分かることは、ホタルは昔から変わることなく、見る人々に神秘的な光景を与え続けてきたということです。

Q3.ホタルはどんな生活をしてるのですか?

ホタルにも、一生を陸上で生活するものや幼虫の間だけ水中で生活するものなど、様々な種類がいて様々な生活をしています。

ここでは日本でも有名なゲンジボタルとヘイケボタルの生活について説明したいと思います。

この2種類は世界中でも、幼虫の間だけ水中で生活をするホタルとして、珍しい種類にあたります。

  ゲンジボタル ヘイケボタル
成虫 成虫は5月下旬から6月下旬にかけて発生し、東日本では約4秒に1回、西日本では2秒に1回の割合で一斉に明滅を繰り返します。この集団同時明滅はオスがメスを探して交尾する上で適応的行動といえます。交尾後のメスは川岸の苔に約800~1200個の卵を産みつけ死んでいくのです。 成虫は6月中旬から7月中旬にかけて発生します。発光パターンは比較的ゆっくりですが、川に棲息するものは早い傾向にあります。また、1個体のメスが何個体のオスを誘引し、光のコロニーが形成されることもあります。交尾後のメスは水辺の苔に約50~100個の卵を産みつけ死んでいきます。
卵は楕円形をしており、長径が約0.5ミリメートルで乳白色をしています。そして、卵は約1ヶ月でふ化します。 卵は楕円形をしており、長径が約0.5ミリメートルで乳白色をしています。そして、卵は約20~30日でふ化します。
幼虫 幼虫は水中のカワニナという巻き貝を餌として水中で生活をします。また、幼虫が充分に成長するためには約30個のカワニナが必要になります。そして、脱皮を繰り返し、4月頃になると上陸して、川岸の土中で土繭を作りサナギとなります。 幼虫は水田のモノアラガイ類などを餌として水中で生活しています。また、伝統的な水田の管理様式によく適応し、湿った土中で越冬もできます。そして、5月頃になると水辺の土中に土繭を作りサナギとなります。
サナギ サナギはすでに成虫のような発光器があり、約50日後には羽化し、地上に這い上がります。 サナギは約30日後には羽化し、地上に這い上がります。

Q4.ホタルは何を食べているのですか?

カワニナの画像1

ホタルはほとんどの種類が幼虫の間は餌を食べますが、成虫になると水分だけで生きています。

そこで、幼虫の段階でどんなものを餌としているか見てみましょう。

日本で最も有名なゲンジボタルは水中の巻貝であるカワニナを餌とし、水田や用水路、湿地に生息するヘイケボタルはタニシやカワニナ、モノアラガイ類などを餌としています。

その他、陸生のヒメボタルはオカチョウジガイやベッコウマイマイ類などを餌とし、山林に棲息するオバボタルは小動物を餌としています。このように、ホタルは生活環境に適したものを餌としていることが言えます。

Q5.ホタルは何故光るのですか?

ホタルの画像2

ホタルには、弱く連続的に発光するものから、強く断続的に閃光を放つものまで、さまざまな種類がいることが知られていますが、幼虫は発光するが、成虫はほとんど発光しないという種類やオスとメスでは発光色が明らかに異なる種類もいます。

また、ゲンジボタルのように卵、幼虫、サナギ、成虫の全てが発光するものもいます。

すなわち、ホタルはその行動の目的によって、発光器や発光の仕方を使い分けているのです。

たとえば、卵や幼虫、サナギが発光するのは、外敵に対する警告であり、成虫が発光するのは、コミュニケーションをはかる信号だと考えられています。

また、発光しないホタルは、昼間に活動するように適しており、においを信号としています。

Q6.ホタルはどうやって光るのですか?

光る

まず、ホタルの発光する部分は、表皮、発光細胞、気管、神経細胞、反射層からできています。

そして、光を出す発光細胞ではルシフェリンという物質とルシフェラーゼという酵素、さらに生物特有の物質であるアデノシン三燐酸、それに微量のマグネシウムイオン、さらに酸素が反応して、複雑な酸化反応が進みます。

通常は、酸化反応が進むと熱を発しますが、ホタルの場合は熱をほとんど伴うことなく光を発します。

発光細胞で発せられた光は、反射層によって反射され、効率よく、透明の表皮を透かして外へ放射されていきます。

このようなメカニズムでホタルは光りを出しているのですが、この光はいつも一定というわけではなく、明るくなったり、消えたりします。

つまり、明滅を繰り返すのですが、このメカニズムは極めて複雑なので、いまだその詳細は解明されていません。

Q7.ホタルは何時ごろがよく見れるのですか?

乱舞

ホタルが活発に行動する時間は午後7時30分から9時、午後12時、午前2時の約3回に分けられていますが、もっとも見るのに適している時間は午後7時30分から9時の間でしょう。

7時を過ぎ辺りが暗くなってくると、あちらで1つ、こちらで1つと光が見え始め、次第に大きなグループのようにまとまって光り始めます。

このように集団で一斉に明滅をするのはゲンジボタルの特徴でもあります。

そして、光のピークは8時30分頃になり、9時を過ぎた頃からは、相手が見つかると、草に止まって交尾の状態に入るホタルも見ることができます。

しかし、ホタルは灯りや音に敏感なので、静かに見るようにしましょう。

Q8.ホタルの出現と天気は関係あるのですか?

カワニナの画像2

ホタルは、風がなくて生暖かく、月明かりもない暗い夜には多く見られますが、風の強い日や気温の低い日には草むらや木の葉に隠れてじっとしています。

また、人工灯があるような明るいところでは飛び交うことは少なく、なるべく暗いところを好みます。

そして、雨の日にもなるとその数は激減します。

ホタルを見る時は、晴れまたは曇りの日で、暖かく風が強くない日を選ぶとよいでしょう。

Q9.ホタルの棲息する環境にはどんな条件が必要なんですか?

それはホタルがどんなところで多く飛んでいるかを調べることで分かります。

陸生のホタルには林や森、畑などの自然環境が残されているところが必要になりますが、水生のホタルには川や水田、用水路などが必要になります。

それでは、数多いホタルの中でも珍しい、水生のゲンジボタルが棲息していくにはどんな条件が必要なんでしょうか。

環境

まず1つ目の条件は、川岸や水辺に卵を産みつけるような草や木が生い茂っており、昔ながらの自然の状態が保たれていることです。

2つ目の条件は、幼虫の餌となるカワニナが育つ、栄養をバランスよく含んだ良質の水が、冬場も枯れずに年間を通じて安定的に流れていることです。

3つ目の条件は、幼虫が上陸して、もぐれる土手や土砂があることです。

4つ目の条件は、ホタルが飛び交う水辺が、車のライトや街灯などの人工灯が少なく、暗い場所であることです。

このように、ホタルが棲息していくためには、いろいろな条件が必要となってきますが、これはホタルに限ったものではなく、我々人間にとっても必要な環境と言えるのではないでしょうか。

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