北川町内には北川(本川・小川)の大きな川が流れており、いずれもささやかな流れで出発し、山奥から小さな滝を作り、よどみの淵もあれば流れの速い渓もあり、いく曲がりかの流れを経て、きれいな水になりながら流れています。
何の飾りもなく、欄干もまったくない「しずみ橋」、昔できた吊り橋や石橋は、近代的な大きい橋に次々と造り変えられ、自然環境とともに、生活環境も変化してきましたが、清流北川は今も変わりなく多くの支流を集めて、その流れは延岡市をへて日向灘に注いでいます。
そして、この北川全体がゲンジボタルの棲息に適しています。
それは、いつもきれいな水が流れていることと、ゲンジボタルの幼虫の餌であるカワニナが川全域にわたって棲息していることです。
水中眼鏡をかけて水中にもぐれば、そこにたくさんのカワニナが棲息していることに驚かされます。
そして、餌であるカワニナの多く分布している地域には、ゲンジボタルの発生が多いことも確認されています。
このように、ホタルを絶やさず、増やしていくためには、餌であるカワニナを増やすこと、そして、そのためにはカワニナの棲める河川環境を守っていくことが大切なのです。
オスメス発光器北川町内には、全域で見られるゲンジボタルや水田近くの溝付近で見られるヘイケボタルのほか、山手のほうに分布するヒメボタルはカタツムリを食べ幼虫が光り、成虫は光らないオバボタルが下赤等に見られ、現在4種類が確認されています。
しかし、調査をすれば、まだ多くの種類のホタルが観測されると思われます。
その中でも、もっとも大きく、明るい光を放つのがゲンジボタルであり、約2秒間隔でゆっくり一斉に明滅します。
また、オスに比べ、メスは一回り大きく、数もやや少ないことが分かっています。
さらに、ゲンジボタルは幼虫の時代にはカワニナを食べますが、成虫になってからは、水滴をなめるぐらいで、寿命は約1週間から2週間程度と言われています。
北川流域では、その年の気象などにより最盛期のずれも見られますが、5月の下旬から6月の中旬にかけてゲンジボタルの成虫は一斉に発生します。
私たちがよく見る、飛び回っているホタルがオスで、メスの方は草むらの中や木の葉にとまっています。
成虫の活動は午後7時30分から9時頃、午後12時頃、翌朝の午前2時頃と3回のピークがあり、お互いに相手を見つけるため一生懸命光を放っています。
そして、交尾が終わると、オスは死に、メスは産卵をします。産卵をする場所は毎年だいたい限られており、場所も集中しています。
産卵は、夜の8時頃から翌朝の3時頃まで続き、一匹で800から1200個の黄色で美しい卵を産みます。
卵は約30日でふ化し幼虫となり、すぐに水中生活に入り、川底の石の下で生活をします。
幼虫は夜行性で夜になると動き出し、体にあったカワニナを餌としてたべます。
また、約6回脱皮する幼虫の時代も、卵の時代も発光しています。
そして、翌年の3月頃までは水中で過ごしますが、4月頃になると上陸し、土中に潜って土まゆを作りサナギとなり、その後、約30日で成虫となって土まゆから出てきます。
ホタルはこのような生活を繰り返しているのです。
ホタルは自然の生き物です。採ったり、持ち帰らないようにしてください。
夜は暗いので足元や車に注意してください。
車はきちんと駐車スペースに停めてください。
ゴミは持ち帰ってください。騒いだりして、周りに迷惑をかけない。
懐中電灯、カメラのフラッシュなどでホタルを照らさない。
路上や市有地に駐車しない。