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職員の懲戒処分の公表について
このたび、市職員が、公物である備品を私物化し窃取していたこと、さらにそれを管理監督者が知ったにもかかわらず迅速に対応しなかったことが判明しました。
また、契約事務に当たり、杜撰な事務処理を行っていたのみならず、それを正当化しようと虚偽の公文書を作成したり、法令に違反する随意契約を締結していたことも明らかになりました。
市民の皆様の信頼を裏切ることをしてしまったことに対し、深くお詫びを申し上げます。
今回の問題の根底には、私共市の職員が市民の皆様からお預かりした公金で仕事をさせていただいているという意識の欠如、全体の奉仕者としての公僕の意識が欠けていたことがあると考えます。
今後二度とこのようなことを起こさないよう、必要な規程の整備や研修を行う中で、「市民の皆様からのご信頼があってこそ公務は成り立っているのだ」という意識を改めて徹底してまいります。
また、これまでも弁護士や警察と協議してまいりましたが、事態の解明に向け、今後警察への告訴・告発も行ってまいります。
さらに、私自身も自らを処分する考えであります。自らの処分については条例改正が必要ですので、今後条例改正案が固まりましたら公表させていただきます。
市民の皆様に対し、重ねて深くお詫び申し上げます。
誠に申し訳ありませんでした。
延岡市長 読谷山 洋司
発表内容
下記のとおり、地方公務員法第29条第1項の規定に基づき、懲戒処分を行ったので、お知らせします。
(参考)地方公務員法
第29条 職員が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該職員に対し、懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
1 この法律若しくは第57条に規定する特例を定めた法律又はこれらに基づく条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
2 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
3 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
記
【事案1】総務部総務課職員による公物の窃取
1.事案の概要
総務部総務課職員が、令和4年4月頃から令和5年2月頃の間に、市が所有するカメラ望遠レンズ2点及びビデオ編集ソフト1点並びにリース物件であるパソコン液晶モニターディスプレイ1点を金銭に換える目的をもって窃取し、その後、当該行為を隠ぺいするため、虚偽の報告等を行った。
また、令和4年7月頃、当時の管理監督者が、カメラ望遠レンズ2点の所在が不明になっていることを部下からの報告により把握したにもかかわらず、適切な報告や事実確認等を行わなかった。
【窃取された公物内訳】
品目 | 購入時期 | 購入価格 |
---|---|---|
レンズ(1) | 令和3年11月22日 | 247,500円 |
レンズ(2) | 令和3年11月22日 | 247,500円 |
液晶モニター | 令和2年10月1日(リース) | 222,640円 |
ビデオ編集ソフト | 令和5年2月24日 | 69,850円 |
計 787,490円
*被害額とは異なる(被害額は現在監査委員が算定中)
2.懲戒処分等について
(1) 当事者
○処分内容 免職
○処分年月日 令和5年8月1日(火曜日)
○該当職員の所属 総務部総務課
○該当職員の職位 主任主事
○該当職員の氏名 井上 堅士郎(いのうえ けんじろう)
○該当職員の年齢 38歳
(2) 管理監督者
○処分内容 減給10分の1 6箇月
○処分年月日 令和5年8月1日(火曜日)
○該当職員の所属 総務部 ※令和4年度
○該当職員の年齢 50代
3.再発防止策について
(1) 法令遵守の徹底を図るため、内部規程の整備や職員の研修を実施する。
(2) 全ての課室の備品を総点検するとともに、備品管理に関する研修を実施し、適正な事務処理の遂行と再発防止及び備品管理の徹底を図る。
(3) 緊急部課長会議を開催し、綱紀粛正、服務規律の確保及び法令に基づく適正な事務処理の徹底について、市長による訓示を行う。
【事案2】(1)上下水道局職員による契約事務手続きに係る虚偽公文書作成
(2)上下水道局職員による地方公営企業法施行令に違反した随意契約の締結
1.事案の概要
(1) 契約事務手続きに係る虚偽公文書作成
上下水道局職員が、令和4年8月29日(月曜日)に行われた公共桝設置工事(予定価格50万円程度)に関し、当該工事の施工者との契約事務手続きを行わないまま、当該工事を施工させ、かつ、令和5年3月に、虚偽の工事設計書や見積結果表、契約書を作成し、あたかも真正な契約手続きが行われていたものと装い、さらに、工事代金の支払い事務を進めるため、虚偽の検査調書を作成し、また現場写真を変造して、証拠書類として添付した。
(2) 地方公営企業法施行令に違反した随意契約の締結
令和5年2月17日(金曜日)及び同年3月22日(水曜日)に締結された随意契約について、地方公営企業法施行令の規定により、最初競争入札に付するときに定めた予定価格その他の条件を変更することができないこととなっているにもかかわらず、最初競争入札に付するときに定めた予定価格の変更をして、当該随意契約を行った。
(1) 点検業務委託
当初入札時予定価格 | 2,728,000円 |
随意契約時予定価格 | 2,989,800円(261,800円増) |
予定価格の変更内容 |
・発注月が変わったことによる単価の変更(予定価格増) ・当初設計の諸経費率の誤りを修正(予定価格減) |
(2) 調査業務委託
当初入札時予定価格 | 3,352,800円 |
随意契約時予定価格 | 2,520,100円(832,700円減) |
予定価格の変更内容 |
・発注月が変わったことによる単価の変更(予定価格増) ・年度内に業務を完了させるため調査対象の一部を除外する数量の変更(予定価格減) |
2.懲戒処分等について
≪職員(1)≫
○処分事由 〔事案(1)〕
・適正な契約事務手続きを行わないまま、工事を施工させた
・職員(3)が作成した虚偽の工事設計書を容認した
・職員(2)及び職員(3)と協議して、虚偽の見積結果表を作成した
・虚偽の契約書を作成した
・虚偽の検査調書を作成した
・指導監督不適正
○処分事由 〔事案(2)〕
・不適正な随意契約を行った
・指導監督不適正
○処分内容 停職6箇月
○処分年月日 令和5年8月2日(水曜日)
○該当職員の所属 上下水道局
○該当職員の年齢 50代
≪職員(2)≫
○処分事由 〔事案(1)〕
・職員(1)及び職員(3)と協議して、虚偽の見積結果表を作成した
・職員(3)に現場写真の変造を指示した
・指導監督不適正
○処分事由 〔事案(2)〕
・不適正な随意契約を行った
・指導監督不適正
○処分内容 停職4箇月
○処分年月日 令和5年8月2日(水曜)
○該当職員の所属 上下水道局 ※令和4年度
○該当職員の年齢 60代
≪職員(3)≫
○処分事由 〔事案(1)〕
・適正な契約事務手続きを行わないまま、工事を施工させた
・虚偽の工事設計書を作成した
・職員(1)及び職員(2)と協議して、虚偽の見積結果表を作成した
・職員(2)の指示で現場写真を変造した
○処分事由 〔事案(2)〕
・不適正な随意契約手続きを行った
○処分内容 停職3箇月
○処分年月日 令和5年8月2日(水曜日)
○該当職員の所属 上下水道局
○該当職員の年齢 40代
≪職員(4)≫
○処分事由 〔事案(1)〕
不適正な事務処理を中止させず、支払い事務を進めようとした
○処分内容 減給10分の1 2箇月
○処分年月日 令和5年8月1日(火曜日)
○該当職員の所属 上下水道局
○該当職員の年齢 50代
≪職員(5)≫
○処分事由 〔事案(1)〕
不適正な事務処理を中止させなかった
○処分内容 戒告
○処分年月日 令和5年8月1日(火曜日)
○該当職員の所属 上下水道局
○該当職員の年齢 50代
3.再発防止策について
(1) 延岡市随意契約ガイドラインにおいて、見積書を依頼する際には、見積依頼書を「手渡し」又は「郵送」により行ったうえで、見積依頼業者に対し「受領書」の提出を求めるなどの見直しを行い、適正な事務処理の徹底を図る。
(2) 随意契約で工事を発注する際の事務手続きに、新たに「チェックシート」の作成と決裁文書への添付を追加し、決裁者までのすべての職員が事務処理の確認を徹底することで、適正に契約事務手続きを進めることができるよう改善を図った。
(3) 法令遵守の徹底を図るため、内部規程の整備や職員の研修を実施する。
(4) 契約管理に関する研修や文書管理に関する研修を実施し、適正な事務処理の遂行と再発防止の徹底を図る。
(5) 工事等の発注状況を「見える化」し、進捗状況が複数の目で確認できる体制を構築することで、適正な事務処理の徹底を図る。
(6) 緊急部課長会議を開催し、綱紀粛正、服務規律の確保及び法令に基づく適正な事務処理の徹底について、市長による訓示を行う。
【その他】
市長も自身の処分を検討する。(条例改正が必要なため詳細は後日条例案が固まった段階で公表する。)