皆さんおはようございます。市長の首藤です。
私は市長に就任するまで20年以上にわたって会社経営に携わってきました。その頃は、どうすれば業績が上がるかをいつも必死に考えていたものです。会社組織をどう変えればいいか、給与制度はどうあるべきか、自社のコアコンピタンスは何か、営業力を高めるにはどうすればよいか、業務のシステムで改善すべき点はないか、効果の上がる社員研修はないかなど、考えるべきことは山ほどありました。何か会社経営のヒントが見つかればと京セラの稲盛さんの経営塾「盛和塾」にも参加したり、暗中模索の日々だったように思います。
しかし、例えば組織形態ひとつにしても、トップダウン型で迅速に機能する組織にすべきか、あるいはできるだけ社員一人一人の自主性に任せる組織にすべきかという悩みを持ったとして、それに明快に答えるひな形のような正解は結局のところ存在しなかったと感じています。さまざまな状況に応じて、こういう場合はこの形態がいいというアドバイスはありうるでしょうし、であればその方法を選択すべきなのですが、かといってそれでうまくいく保証はありません。ビジネス書に書いてあるような経営ノウハウが必ずしもいい結果を生むとは限らないのです。
海図のない荒海をもがき苦しみながら進んでいくのが会社経営というものなのでしょう。
そして、「こうすれば良い」というノウハウ的アプローチだけではだめだと思い至った末に、私が最終的にたどり着いた答えは「企業風土」です。
すなわち、企業の発展のカギは制度やシステムにあるのではなく、その会社全体に通底する精神風土にあるというのが私なりの結論です。さらに言えば、この企業風土を良いものに変えるための手段として仕組みや制度を捉えた方がいいのではないかと思うようになりました。
以上のことを山登りにたとえれば、目指す山頂(業績アップ)に向けていくらでも登山ルート(仕組みや制度)はあるのだということです。メンバーの体力や天候(会社規模や景気等)などによって考えうる中でのベストの選択はどのルートかという判断はもちろんしなければなりません。しかしながら、それは最終的に事の成否を決めるものではないのです。このルートを行きさえすれば必ず山頂にたどり着けるというような、成功の保証されたルートなど存在しません。
大事なのは、この登山ルートを経て必ずや山頂に到達するんだという登山隊員全体の確固たる意志である。それこそが、ここでいうところの企業風土なのです。
さて、延岡という地域の将来を決めるカギは何でしょう。
それは、延岡市役所の組織風土であり、また「まちを良くしていこう」という、市民全体に満ちる地域の精神風土なのだと思います。そしてこの精神風土こそ、我々が、市民力、地域力と呼ぶものの本質であり、それは近年全国に誇れるレベルにまで高まってきていると感じています。
ですから、我々としてはこうした市民力を最大限に生かすべく、市民協働という理念のもと、先陣を切る使命感と覚悟を持ちましょう。そして市役所のさらなる風土改革を延岡市全体の市民力、地域力の強化へとつなげましょう。
> 市長室 > 職員への市長メッセージ > 2011年8月29日