皆さんこんにちは。市長の首藤です。
今回の市長選挙の結果、多くの皆さんのご支持をいただき、次の4年間も市政を担わせていただくことになりました。これからもよろしくお願いします。
選挙では旧1市3町の全域をくまなく走り、今まで行ったことの無かったところまで行きました。その場に足を運ぶということが自分にとっては得がたい機会となり、多少なりとも言葉を交わしていく中で、それぞれの地域の住民の皆さんとの繋がりが深まったと感じています。今年の仕事始め式でもお話ししましたが、市民の皆さんの苦しさ、つらさ、痛み、そういったものを肌身に感じることが市役所としての仕事の原点ではないかと思います。そうしたことを自分なりにあらためて実感しました。
さて、高速道路無料化の社会実験を実施する路線が発表になりましたが、その中に延岡南道路も入っています。大変ありがたいことです。
この延岡南道路無料化については、皆さんの中には、最近になって「たなぼた」的にクローズアップされてきたという印象をお持ちの方もあろうかと思います。昨年の暮に前原大臣にお会いした際、延岡南道路の無料化の要望に対して「社会実験で検討しましょう」という前向きの回答をもらいました。それが大きく新聞報道されたものですから、この時点からの印象しかないかもしれません。しかし、これについては実はそれまでの経緯がありまして、もとを正せば3年ほど前の、市役所を退職したある課長さんの手紙が発端だったのです。
私あてに届いたその手紙には、延岡南道路を建設したのは失敗だったと思うと書かれていました。もし南道路ができていなければ、国道10号の塩浜から加草にかけての土々呂区間については、いずれ4車線化されたに違いないというのです。国道10号は、延岡市から門川町、日向市にかけての主要区間の4車線化はすでに完了していますので、確かにこの区間の4車線化は当然のテーマであったでしょう。
そもそも延岡南道路はこの区間のバイパスということで建設されたのですが、当時の高度な判断で、道路公団の整備による有料道路としてスタートしました。ところがご存知のようにほとんどがトンネルで、距離の割には整備費が嵩んだために、比較的高い料金設定になったわけです。そのためになかなか利用が伸びず、バイパスとしての機能を十分に発揮しないまま国道の混雑はあまり緩和されずに今に至っており、そのことが延岡、門川、日向地域の発展を阻む大きな要因となってきたというような分析が、手紙には綴られていました。そして、延岡南道路をバイパスとして造ったのだから国土交通省としてはもはや国道10号の渋滞対策は済んだ話だという認識でいるはずだが、もう一度、4車線化問題を俎上に載せる努力をすべきではないでしょうか、という提案が書かれていたのです。
この課長さんからの提案で色々考えました。
土々呂区間を4車線化するには300億円くらいかかりますが延岡南道路は完成したときが80億円くらいですから、これから国が買い取るとしても、4車線化と比べれば半分以下で無料化ができるはずです。こうしたコスト面の事情や、産業面で延岡の各製造拠点と日向の細島港を結ぶ物流の状況、商圏の広がり、また小中学生の通学路である県道にまで車が流れ込んで危険な状況にあることなど、色々な要因を重ね合わせると、延岡南道路を無料にして国道と県道の渋滞を解消するというのがどう考えても一番経済合理性の高い解決策です。しかし、当時、ただ「無料にしてくれ」というだけの要望では単なるおねだりとしてしか受け止められないだろうということも容易に想像できました。
その後、国交省側の土々呂区間4車線化の捉え方がどうなのかということや道路公団民営化後の延岡南道路の位置づけなどについて打診や水面下の協議を重ね、「国道10号の混雑緩和」を錦の御旗にして国道4車線化か南道路無料化かの二者択一を迫ろうという戦略で、要望活動を始めました。
そして2年以上にわたって、国交省の延岡河川国道事務所、九州地方整備局、本省の有料道路課や道路局長にもそういう提言を重ねてきました。
たまたま民主党の高速道路無料化というマニフェストとタイミングが合ったため、延岡南道路の無料化が思いがけず早く実現したわけですが、このことは決して「棚からぼた餅」ではなかったのです。
延岡南道路無料化という成果は、このように、もとを正せば市役所を退職した課長さんの提案から生まれました。もっといえば、この課長さんの地域経営的発想から生まれたのです。
それぞれの部課の仕事はある程度限定的です。例えば、高速道路の建設を促進するということであれば、ただひたすらにそれぞれの路線の建設をいかに早めるか、いかに地元の声を中央に届けるか、いかに地元で機運を盛り上げるかというようなことにエネルギーを使わなければいけないわけですが、そういう中でもっと目を広げて見たときにはどんな風に物事が見えてくるかということも併せて考えていただきたいと思います。現場主義での「蟻の眼」とともに、俯瞰的に大局を見る「鳥の眼」を持っていただきたい。
色々な事象を俯瞰的に捉えて、どこをどう変えれば全体がどんな風になるのか、どこに手を入れれば全体が良くなるのかという見方をしていくのは、経営的視点とも言えるでしょうか。別の言い方をすれば、皆さん方一人ひとりが「自分が市長だったらどうするか」という発想を持っていただきたいということです。
そうした意味も込めて、これからも提案、提言をお待ちしています。
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