職員への市長メッセージ

2009年9月8日 「理念」の力

 皆さんこんにちは。市長の首藤です。

 衆議院選挙は自民党から民主党への政権交代という結果を生みました。世論調査をみると、政権交代を良かったと考える国民が49%で、どちらとも言えないが42%だそうです。
 新しい政治状況に期待と不安があい半ばというところなのでしょうか。
 私としては、今後、特に高速道路について、われわれの地域の声を民主党政権にしっかり届けるための強力な要望活動を展開しなければいけないと思っているところです。

 さて、今議会で「地域医療を守る条例」を上程しています。
 これは全国の市町村で初の取り組みということもあって、マスコミにも大きく取り上げられました。東京の知人から、「日経の夕刊に結構大きく報じられていたよ」との知らせもありました。
 この条例は「理念」の条例です。理念的なものは結局のところ、明確に二つに分かれるのではないかと思います。すなわち、修辞的な言葉を並べただけの形式的なものと、魂のこもった、だからこそ具体的な成果を生むものの二つです。
 当然後者を目指さねばなりませんが、それは「理念」を大切にすることと同義でもあります。理念に魂をこめることによって、具体的な、効果の高い取り組みが生まれてくるのだと信じます。
 ところで、8月22日(土)と23日(日)に長野市で開催された地域医療研究会全国大会に参加してきました。その事務局を佐久総合病院が務めていたのですが、ここは約800床(県立延岡病院の約2倍の規模)の大病院です。研究会に先立って佐久市内の病院に伺い、夏川院長先生から1時間にわたってお話をお聞きすることができました。
 そして、「市民の幸せな暮らしのために医療はどうあるべきかという理想を数十年にわたり追い求め続けてきた」ことに強烈な印象を受けました。
 この理想が人を呼び寄せるのでしょう。延岡よりはるかに田舎であるにもかかわらず医師が自ら希望して集まってくるらしく、医師不足についての悩みはあまり大きくないとのことでした。前期臨床研修医だけでも33名が勤務しています。院長先生は申し訳なさそうに、「宮崎大医学部からもここ数年で9名の研修医が来てますよ。」とおっしゃっておられました。うらやましい限りですが、その理由がよくわかった気がします。
 理想の医療を実現することに情熱を燃やす歴史がこの病院にはあります。地域医療の神様といわれた若月俊一先生の理想が、数十年の時を越えて、現在も息づいています。
 すばらしいのは、その理想を掲げることによって具体的な取り組みが生み出されてきたことです。特定検診、特定保健指導のモデルになった取り組みもここで生まれました。そしてそれは、健康寿命全国トップ、老人医療費全国最低という長野県全体の成果にまでつながっています。
 魂をこめた理念は効果的な施策を生み、それが大きな成果につながるのです。

 延岡市の今回の条例も、理想を高く掲げています。市民、医療関係者、行政、みんなで条例の理念に「理想の火」という魂を入れることによって、大きな成果を生む流れを作りたいものです。

 話は変わりますが、衆院選でも分かるように、国民、市民が国や自治体に求めているのは「改革」です。民間の感覚からすれば、政治や行政の世界は無駄や既得権益があふれているように映っているのだろうと思います。それを打破せよというのが今回の選挙で示された意思なのでしょう。
 市に対しても、特に行財政改革について厳しい視線が向けられていることを自覚しましょう。方針が決定した学校給食調理業務の民間委託をはじめ、さまざまな改革にたゆまずに取り組むことが大切です。
 いつの時代も、原点は「市民感覚」です。