職員への市長メッセージ

2008年7月1日 視点を移動する作業

皆さんおはようございます。市長の首藤です。

 セブンイレブンとイトーヨーカ堂を中核としているセブン&アイホールディングスの鈴木敏文会長が、社員の人たちに、「一人の客と しての感覚を忘れないように」と常日頃言っておられるということを最近読みました。自分自身が一人の客として店に入ったときにどう感じるか、そこで受ける サービスに対してどう感じるか、その消費者側の感覚を忘れないようにということです。
 著書『声に出して読みたい日本語』などで有名な齋藤孝さんは、このことを「視点を移動する作業」と表現し、ビジネスの上でも大変重要だと指摘しています。この「視点移動」は、言葉を替えれば、「想像力」とか「思いやる力」、あるいは「複眼的思考」とも言えるでしょう。
 これは私たち行政に携わる者にとっても大変大切なことだと感じます。自分自身が一人の市民として市役所のサービスや仕事ぶりを見たときにどう感じるかと いう視点移動の感覚を、しっかり持っておかねばなりません。日常の仕事の中で「視点を移動する作業」を習慣化することが大切です。
 別の例を出しましょう。
 先週末に延岡市社会福祉大会が開催され、その中で福祉啓発優秀作文が表彰されました。小学校の部で最優秀賞を取った西小6年の辻見佳さんは、(アイマスク体験で怖さが身にしみて)「目の不自由な方は常にこんな気持ちと戦っているんだ。」「体験を通して、相手の立場に立ってみると、今まで見えていなかった ものが見えるようになり、相手のことを理解できるようになることに気づきました。」と書いていました。
 これこそ文字通りの「視点移動」ですが、きっと新鮮な発見だったのだろうと思いますし、そのことが辻さんの今後の人生の大きなヒントになったかもしれません。

 色々な角度から物事を客観視することは大変大事なことであるし、それによって当然ながら仕事の幅とか奥行きは広くなっていきます。こうして仕事の質を高めることが、ひいては仕事に対するやりがいを高めることにもなると考えます。
 民間企業であれば、企業理念に沿って業績を上げるということが当然ながら組織の大目的であり、社員の皆さんの考え方や行動の求心力となります。そして、 その総体的な価値観の中に企業文化が生まれるものであると思います。 しかし、市役所ではそのような求心力を持ちにくいという一面もあるのでしょう。極端に言えば、朝8時30分から夕方5時までソツなく過ごしていさえすれば それでいいというような虚しい人生観に流れてしまっても、周囲からの忠告などの働き掛けもそう強くないというような面もあるのかなと感じます。
 逆に、はまって取り組めば、市役所の仕事ほど充実したやりがいのある仕事は他にありません。もちろん、どういう仕事観や人生観を持つかということについ ては人から指示されることではありませんが、市役所という組織としての価値観、方向性というものをみんなが共有して進んでいくべきであると私自身は思って います。価値ありと思える仕事であればこそ打ち込めるし、やりがい、生きがいを持てるというものです。
 このように考えてくると、「自分の今の仕事に価値を感じない」「現在の仕事は自分に合っていないのではないか」という疑問が出てくることもあるでしょうが、こうした問いへの答えは普通の場合、実は単純です。西洋にこういう諺があります。
・・・・・・「足元を掘れ。そこに必ず泉が湧く。」

 ところで、今年のまつりのべおかは市職員の河野修実行委員長のもと、精力的に準備が進められています。募金や各種イベントの参加など、皆さん、ぜひご協力ください。