職員への市長メッセージ

2008年6月2日 大きな枠組みを変える

皆さんおはようございます。市長の首藤です。

 昭和8年に市制施行してまもなくの昭和11年から17年までの7年間、延岡市は宮崎市よりも人口が多く、県内では一番の都市でした。それがいつの間にか、宮崎市に人口規模で3倍という大きな差をつけられてしまっています。その原因は、端的に言えば県庁所在地であるか否かということ以外にはありません。県庁所在地という枠組みの中で色々な事業が実施され着々と整備が進んで、これだけの差がついてしまったわけです。大きな枠組みが先に作られてしまうと、結果はこの枠組みに自然に従うことになるものです。努力は非常に大切ですし、努力なしには何もできませんが、大きな枠組みあるいはルールをにらんでおくことは重要です。
 そういう観点からみると、延岡の将来を展望するにあたって大きな枠組みの転換は可能なのかということになりますけれども、以前、リーダー会議の場で「東九州自動車道と九州横断自動車道延岡線が縦軸、横軸の動脈として整備されれば、交通の要衝としての延岡のポテンシャルは飛躍的に高まる。もっと言えば、道州制が実現してその州都が熊本市になれば、その熊本市と横断道で直結する延岡市の存在は九州にとって欠くことのできないものになるのだから、そのときまでに(人口20万人以上の)特例市という枠組みを実現しよう。」という話をしたことがあります。
 これが、大きな枠組み転換ということの意味です。そして、延岡の大きな発展のチャンスを構想するには他に考えようがないと私は思っています。

 ところで、以前、第1次から第5次までの全国総合開発計画(いわゆる「全総」)が策定され、均衡ある国土の発展という理念の下、特に3全総、4全総の頃に注目を浴びました。この全総を国のマスタープランとして位置づけし、国の総合開発計画を立ててきたのが今までの日本の国づくりの流れでした。しかし、人口減少時代を迎え、「開発」という発想からの転換が必要ということもあって、新しく「国土形成計画」の策定が進められています。
 この「国土形成計画」は「全国計画」と「広域地方計画」という2本立てで構成されています。「広域地方計画」のエリア設定は道州制を意識しているように感じますが、九州圏が1つの計画としてまとめられ、その素案が公開されました。そして今年の2月5日には各県知事や各省庁の九州の局長が出席して意見交換が行われたという段階まできています。
 九州圏広域地方計画では3層構造の「自立圏」が想定されており、一番大きな構造として「九州自立広域圏」というものを提示しています。そこでは「基幹都市」というものを設定していますが、これは、これから九州が自立していく中で文字通り基幹となる都市、核となる都市です。
 ここで指摘しておきたいのは、政令指定都市や県庁所在地と並んで延岡市もこの基幹都市に位置づけられていることです。
 東九州自動車道と九州横断自動車道延岡線を縦横の大動脈として東九州の中核となる延岡市のポテンシャルに対して、国が広域地方計画という形でお墨付きを与えてくれている。まさに「我が意を得たり」という感じがしています。
 基幹都市として位置づけられている政令指定都市や県庁所在地と延岡市との間には明らかに力の差がありますが、しかしながら東九州の真ん中に基幹都市がなければ、九州のネットワークは非常に歪んだものになるということも地図を見ればわかると思います。我々にとって大事なことはこれから街をどうパワーアップしていくかです。そして、その上で日向市や門川町等と連携して基幹都市圏を形作ることが存在感の鍵となるでしょう。
 「国土形成計画」が閣議決定されれば、我々はじっと待っていても国がそれを実現してくれるのかというとそんなことはありません。今までの3全総、4全総を見ても、そこで書かれたことが全て実現してきたかというとそんなことはなくて、むしろ各省庁の政策立案に背骨を通す1つの理念として捉えられて来たということでしょう。この位置づけは今度も変わらないでしょうが、これを錦の御旗として掲げ、地域の将来発展のテコとなすべきです。
 今、道路の問題は重大な局面を迎えています。一般財源化されることがほぼ確実な中で、道路予算がこれからどれだけ確保されるのかは非常に不透明ですし、九州横断自動車道延岡線については全く先行きが見えません。
 しかし、国土形成計画において基幹都市を結ぶということは非常に大きなテーマです。熊本基幹都市圏と延岡基幹都市圏を結ぶ大動脈という位置づけがなされれば、九州横断自動車道延岡線の重要性もあらためて認識されようというものです。
 また、延岡市、門川町、日向市を連携基幹都市圏として一体化を進めるべきだと書きましたが、この基幹都市圏の連携を阻害する大きな要因として国道10号の土々呂区間の問題があります。ここを4車線化すれば解決するのですが、それには200~300億かかるので、ならばいっそ延岡南道路を国道10号に位置づけして無料開放してもらい、現国道の土々呂区間については県に管理移管するとか、また、それに伴って必要なら県道土々呂日向線を市で管理するという考え方はどうでしょう。南道路が無料化されると延岡から日向まで大動脈が通り、交通量が増えてしかも産業道路として使えます。既に用地は4車線分確保済みですから、渋滞するようになれば、先々の4車線化も容易です。細島港も旭化成等と直結する度合いが高まって生きてくるでしょう。これも、連携基幹都市圏を構想するにあたって必然の発想と考えています。
 これに加えて特例市の実現の話についても、一歩前進という状況が生まれてくるものと思います。
 このように、道州制に先立って国土形成計画は大きな枠組み転換のチャンスですから、私たち自身がそれをいかに活かすかという意識を高めておきましょう。
 中心市街地の活性化というテーマも、そういった流れの中にあります。高速道路時代を迎えようとする中、延岡市の都市機能を高めていかないと現状では基幹都市としての役割を十分に果たせません。この中心市街地の活性化については市民の皆さんの関心も高く、鉄道高架問題や駅前の再開発とも関連してそろそろ明確な方向性とプランを出すべき時期だと思っています。延岡駅の貨物ターミナルとしての機能拡大も想定しながら、東口・西口両方からアクセスしやすい駅舎への建て替えと併せた駅前の再開発、こうしたことを総合的に商工会議所や市民の皆さんとも協議しながら進めていきます。
 商業観光課を中心に作業を進めてもらっていますが、もちろん各課横断的な協力が不可欠です。これはいわゆる「受身」あるいは「守り」の仕事ではありません。こうしたらどうか、ああしたらどうかと主体的に発想しながら取り組んでいく「攻め」の仕事です。皆さんが一緒になって英知を結集し、夢のある議論をしていただきたいと思っています。