皆さん、今年も1年間ご苦労様でした。市長の首藤です。
この1年を振り返ってみると、北川町との合併や台風4号・5号の襲来をはじめ、いろんなことがありました。そして年末を迎え、現在に至っていますが、足元にはさまざまな課題が山積しています。そして、それらの課題は結局のところ、ひとつに収斂しているとも言えるのではないかと思います。
では、その「ひとつ」とは何かというと、・・・「人口減少」です。
人口増減を分析するのに一番単純なのは、自然動態と社会動態に分けて捉えることでしょう。
本市においては、自然動態については平成17年に出生数が死亡数を下回り、自然減に転じました。これは日本社会全体を覆う少子化傾向の反映ですが、憂慮すべきことと考えています。一方、社会動態を見ると、一貫して転出者の数が転入者の数を上回るマイナスとなっています。この、社会動態がマイナスであることの核心、すなわち経済の停滞による雇用の場の不足と所得水準の低さが、延岡市の最大の課題である人口減少を招いていると考えねばなりません。
ではどうすればいいのかといえば、いろいろな要因の積み上げのもとに雇用という結果が生まれるわけですからそう単純な話ではありませんが、「企業立地」は中でも最重要な取り組みと言えるでしょう。
そこで今回、企業立地推進本部を立ち上げることになりました。
これまで工業振興課が企業立地を担当してきているのはご承知のとおりです。これは、やはり昔からの「企業立地=工場誘致」という考え方の表れだろうと思いますが、もはやそれでは済まなくなって来ています。さらに言えば、昔の、繊維を中心とした工場群は労働集約型でしたから雇用がたくさん生まれましたが、今はそうは行きません。最近の装置産業型工場は、地域にとって経済波及効果が非常に薄いものになってしまいました。
こうした背景もあって、ひと頃からコールセンターなどの事務部門の誘致にスポットが当たるようになりました。我々としてもいろいろな職種に対応できる取り組みをしていかなければならないと考えています。その意味で、幅広く多くの市職員の皆さんにこのテーマへの関心を持っていただきたいと思います。
企業立地推進本部という形で各部各課の横断的な取り組みを進めていくことにしたわけですが、「担当として工業振興課が進めて行くのだろう。何か言われたときに手伝いだけすればよい。」というスタンスではなく、「1社でも多く新しい事業所をつくることが延岡市役所全体の大きな目標だ。」と考え、総力戦で取り組んでもらいたいと思っています。
先般、新しい工業振興ビジョンを策定しましたが、この中では「一次産業を活用した高付加価値新事業の創出」が大きな柱の一つとして位置付けられ、農林水産物の加工という観点からの取り組みが重要だとされています。
他所から延岡に来た人から、時々、「延岡には良い観光資源があり、食べ物にしても良いものがたくさんあるのに、地元の人がそれを活用できていないですね。」というご意見をいただきます。素材としての一次産品には結構良いものがあるのに、たとえば木材にしても広大な森林面積を誇りながら、それを加工する工場が延岡には手薄です。
また、「空とぶ新たまねぎ」は延岡のブランド産品の優等生ですが、その加工品であるドレッシングは都城の工場で生産されています。何でもそうですが、素材はなかなか儲かりません。加工する部分が一番儲かるわけですから、儲かる部分をなぜよそに取られないといけないのかと以前から歯がゆい思いをしていました。こういうところからも議論をしていきましょう。
ところで、時の経つのは早いものでもう年末ですが、春になると今期も多くの方々が退職されることになります。
ある市民から苦情があったのですが、いまだに延岡市役所からの天下りがあると言うのです。市として退職後の再就職の斡旋をすることはない旨の返事をしたのですが、個人の自由な就職活動を制限することはしていませんから、結果として誤解を与えている場合があるかもしれません。
「李下に冠を正さず」の喩えもありますから、再就職の際にはできるだけの配慮をお願いしたいと思います。経験部署と利害関係のある会社や団体等への再就職はなるべく避けていただくとか、再就職後に経験分野での営業活動で市役所を訪問することは自粛するなど、常識的な範囲で考えていただければありがたいと思います。
年末年始の休みの間、事故など無きよう、そして皆さんがそれぞれに素晴らしい新年を迎えられますようお祈りします。また来年、皆で力を合わせてがんばりましょう。
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