平成22年8月31日:延岡市議会
9月定例会の開会にあたり、提案理由の説明に先立ちまして、平成22年度施政方針に関する行政報告を申し上げます。
本年度がスタートして間もなくの4月20日、県内において第1例目の口蹄疫疑似患畜が確認されました。本市におきましては、ただちに畜産農家に対しまして異常家畜の有無を確認するとともに消毒の徹底を呼びかけ、4月28日には延岡市口蹄疫対策本部を設置し、自主消毒ポイントでの消毒作業をはじめとした防疫措置に万全を期してまいりました。
この間、予想を超えた口蹄疫感染の拡がりを見せるなか、本市では県内の3分の1以上の数にあたる消毒マットを設置し、消毒作業を実施するなど、防疫措置に全力を傾注し、現在まで、市内での口蹄疫の発生を防ぐことができております。
このことは、延べ3千人ほどの企業、団体、個人をはじめとした多くのボランティアの方々が、消毒作業をはじめとした防疫措置に献身的にご協力いただいたからこそ成しえた結果であり、本市の市民力の強さをあらためて感じたところであります。さらには、多くの方々から義援金をはじめとした善意をいただいており、この場をおかりしまして、あらためて皆様にお礼を申し上げます。
今回の口蹄疫発生に関しましては、8月27日に、県内全域で終息宣言を迎えることができました。
しかし、口蹄疫の発生は、畜産業だけではなく、県内の産業、経済の全般にわたり多大な影響を及ぼしております。このため、本市におきましても市内経済の立て直し、元気のべおかの復活に向けて、現在、様々な施策に鋭意取り組んでいるところでございます。
さて、去る6月22日、国において「地域主権戦略大綱」が閣議決定されました。その中で、住民に身近な基礎自治体を重視したうえで、自治事務の義務付け・枠付けの見直しや、権限委譲をはじめとした地域主権改革の内容と方向性が示されました。
本市におきましても、地方自治の本旨に立ち返り、住民主体のもと、自己責任と自己決定による、地域の実情に即した行政運営に取り組むことが重要であると考えております。
現在、本市におきましては、「新生のべおかプロジェクト」を中心とした各種施策の推進に取り組んでおり、施政方針で述べました第5次長期総合計画における主要施策につきましても、現在までおおむね順調に進捗してきております。
それでは、施政方針に関しまして、これまでの主な取組状況をご報告申し上げます。
はじめに、本市発展の基盤となります高速道路網の整備につきましては、6月28日に高速道無料化の社会実験が始まり、延岡南道路においては通行量が3倍以上となるなど、高速道路整備へのニーズの高さが確認されております。
また、7月17日には東九州自動車道高鍋・西都間が供用開始となり、さらに、本年中には門川・日向間が供用開始される予定であるなど、東九州自動車道の整備に関しましては着実に伸展しております。
九州横断自動車道延岡線の整備へ向けては、「九州横断自動車道熊本延岡間"命のみち"をつなぐ会」が中心となり、目標を上回る約25万6千人の署名を集め、また、路線名の通称を「九州中央自動車道」とすることで、その重要性を関係機関にアピールするなど、整備に向けての取組を強化しております。
このようななか、新市としての一体感の醸成を図りながら、旧町地域の特性を活かしたまちづくりを進めるため、本年度から新たに「元気のいい三北地域づくり支援事業」に取り組んでおります。現在、全体で37件の申請がなされており、「市民まちづくり活動支援事業」とあわせて、各地域における個性的な地域活動等が活発になることで、本市全体の活力あるまちづくりにつながっていくものと期待しております。
次に、本市の重要課題であります雇用の創出に関しましては、6月8日にクレアパーク延岡工業団地内に民間企業のオフィスビルが完成し、また、その賃貸フロアにも事務系の企業が進出するなど、今後5年間であわせて約500人の雇用が見込まれております。
さらには、製造業等の企業誘致を実現するためのクレアパーク延岡工業団地第2工区の整備も年度内の完成に向けて順調に進捗しております。
また、大分県・宮崎県両県による東九州地域医療産業拠点構想と連携しながら「延岡市メディカルタウン構想」の策定を行っており、産学官連携による、医療機器関連産業の振興や更なる集積、雇用の拡大、医療の充実などに取り組むことにいたしております。
農林水産業の振興につきましては、1アールハウス設置に対する助成や、延岡産木材を利用した家屋の新築やリフォームに対する助成制度の新設など、地産地消の推進に取り組んでおります。このなかで、延岡産材を利用した家屋の新築に関しましては、すでに16件の申込みを受けており、延岡産のスギ、ヒノキ材の利用拡大に伴う林業経営の改善に寄与するものと期待しております。
また、5月18日にオープンいたしましたJA延岡の地場産品直売所「ふるさと市場」におきましては、市内で生産されます野菜や果物、加工品などのほか、鮮魚をはじめとした魚介類の販売も好評で、生産者の収入の安定にもつながっております。
さらには、農商工連携による木耳(きくらげ)の人工栽培が開始されており、新たな食のブランド化にも取り組んでおります。
また、小型漁船の改造に対する助成や、本年度から新たに開始しました「漁業緊急保証利子補給事業」などによりまして、漁業経営の改善を図っております。
なお、口蹄疫の県内発生に伴い影響を受けております畜産農家に対しましては、子牛出荷遅延対策や養豚出荷費用対策、子牛価格維持対策など、経済的負担の軽減を図るための支援を開始しております。
次に、延岡駅周辺の賑わいづくりを目的とした中心市街地の整備に関しましては、国や県、JR九州、宮崎交通などの関係機関と協議を進めており、具体的な計画策定に取り組んでおります。
また、観光面においては、本市の海・山・川の豊かな自然を生かした「感動体験案内人」による本市独自の着地型ツーリズム観光商品の開発や、「伝統鮎やな」の存続に向けた取組など、観光客誘致のための新たな取組を始めております。
次に、安全・安心のまちづくりに関しましては、防災行政無線の統合や消防救急無線のデジタル化のための協議、手続に着手し、災害時等における情報伝達手段の整備に努めております。
地域医療問題に関しましては、「宮崎県北の地域医療を守る会」との協働により進めてまいりました「夜間や休日の安易な救急受診の自粛」に関する市民啓発により、県立延岡病院を受診した救急患者数が減少するなど一定の成果を収めております。
また、本年4月に、新たに夜間急病センターの診療に従事していただく医師をお招きすることができ、さらに、8月には、県内初となる地域医療アドバイザーに2名の方に就任していただき、本市の地域医療に関する取組を支援していただくことになっております。
また、健康長寿のまちづくりに関しましては、4月28日に、市民団体や関係団体などによる「延岡市健康長寿推進市民会議」を発足し、「運動」、「食事」、「健診」の各分野において、代表者会議やワーキンググループ会議を定期的に開催するなど、市民主体の体制整備を図り、「良好な医療環境」のもとでの「健康長寿のまち」へ向けての取組の強化を図っているところでございます。
さらには、保育園の園舎改築に対する助成や、精神障がい者相談支援のための地域活動支援センターの整備を進めており、子育て支援、障がい福祉の充実に努めているところでございます。
次に、学力向上に向けた取組につきましては、「レベルアップ延岡学力向上協議会」において、小学校と中学校が連携して授業研究会や合同研究会を実施するなど、学力向上や生徒指導の充実に取り組んでいるところでございます。
また、小学校4校、中学校2校、幼稚園1園の耐震補強工事や市立図書館北浦分館の整備に着手するなど教育施設の充実を図っており、さらには、本年4月から図書館につきましては祝日も開館し、市民に利用しやすい施設といたしております。
また、本年4月から自治公民館の建設費補助事業を拡充し、公民館活動の支援の充実を図っております。
次に、スポーツ施設につきましては、市民体育館の冷房施設の運用開始や西階庭球場の整備など、アスリートタウンにふさわしい施設整備に取り組んでいるところでございます。
このようななか、東海アスリートクラブや、西階中学校男子ソフトテニス部、東海中学校女子ソフトボール部など、団体や個人が全国大会出場を果たし、本市アスリートの活躍は目覚しいものがありました。なかでも延岡学園高等学校野球部の甲子園出場や橋口祐葵選手のインターハイ柔道個人66キロ級での優勝は、市民に感動と元気を与えてくれました。
次に、快適な暮らしを守る取組として、市民から要望の強かったペットボトル及びプラスチック製容器包装の収集を、4月以降、週1回に増やしております。
新最終処分場の整備につきましては、現在、大部分の用地取得を完了し、建設工事の準備を進めている段階であり、また、新悠久苑の建設に関しましては、平成24年4月の供用開始に向けて順調に進捗しているところでございます。
また、市民生活に身近な市道の整備に関しましては、協働・共汗道づくり事業につきまして、本年度も現在まで17地区から応募があり、地域の力による道づくりが進んでおります。
最後に行政運営に関する取組でございます。
まず、市民協働のまちづくりを推進するうえで前提となります広報・広聴に関しましては、移動市長室、市政モニター、メールマガジンなど、新たな手法を導入し、その充実を図っております。
また、自治体クラウド開発実証事業につきましては、参加自治体による協議を重ねており、本年度中には標準化された電算システムが完成する予定となり、情報基幹都市に向けての取組を進めております。
以上が、平成22年度施政方針に関してのこれまでの主な取組でございますが、冒頭に申し上げましたように口蹄疫の防疫措置に万全を期すなかで、その他の施策につきましてもしっかりとした取組を行い、着実な成果をあげているところでございます。
今後とも、今回策定いたしました第6次行財政改革大綱並びに財政健全化計画に基づきまして効率的、効果的な行財政運営に努めながら、市民の皆様が幸せを感じることのできるまちづくりに向けて、全力を傾注してまいりたいと考えておりますので、議員の皆様のより一層のご指導、ご協力をお願い申し上げ、平成22年度施政方針に関する行政報告とさせていただきます。