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県営総合体育館

掲載日: 2017年6月9日

2巡目国体に向けて、県営スポーツ施設をどこに整備するかという議論が佳境を迎えている。

市内の各種競技団体の総意として体育協会から強い要望を受けたこともあり、延岡市としては総合体育館を早くから要望している。これまでの検討の結果、県は延岡市と宮崎市を最終候補地として絞り込んだ。同様に陸上競技場は都城市と宮崎市が、競泳プールは宮崎市内の2箇所が最終候補地となっている。

関係者の中では綱引きに次第に力が入ってきているのだが、その理屈はさまざまだ。

県央部に整備するのが一番効率的だとの声がある。もっともな意見だと思う。だが、今の日本で、効率性を第一に考えることが本当にいいのだろうか。その論理を突き詰めれば、県内に東京一極集中の相似形が必然的に生まれてくるのではないだろうか。人口減少などの日本の国力の衰えは、東京一極集中と地方の疲弊によって始まったのではなかったか。だからこそ、国も地方創生の旗を振っているのだ。

地方創生のためには地域の個性が重要だし、その個性を誰もが魅力と感じながら地域間に往来や交流が生まれることが、全体としての賑わいと活力を生むのだと私は考えている。県内のどこに住んでいても県庁所在地にしか用事がないような県って、魅力的な県と言えるだろうか。

スポーツ施設をどう配置するかはこうした本質的な県土づくりという視点から考えるべきで、スポーツ交流が県内各所で促進されるような仕掛けづくりをすることが、今後の地方活性化においては重要だ。

ところで、二十数年前、私が青年会議所会員だった時に数名の県会議員との意見交換会が開催されたことがある。木花の県立総合運動公園は早く整備されていたが、昭和の終わりから平成の初めにかけて図書館や芸術劇場、美術館が宮崎市内に建設され、さらに柔道や剣道の強豪は県北に多かったにもかかわらずまたもや木花に武道館、そして今度こそ工業都市延岡市にと期待された工業技術センターまでも県央部に整備されることになった頃だった。私は県会議員の皆さんに大いに疑問だと不満をぶつけたのだが、そのときのある議員からの答弁が強く記憶に残っているので紹介したい。

「鹿児島や熊本と比べて宮崎市は県庁所在地として十分な実力をまだ備えていない。宮崎県全体が発展するためには、今は県庁所在地を強化することが大切だ。こうした整備によって力がつけばいずれは延岡市や都城市ということになると聞いているので、理解してほしい」

確かにその頃の宮崎市は順調に発展してはいたものの、延岡市と比べても人口が約2倍くらいのもので、県庁所在地としての際立った都市力を備えていたわけではなかった。私としても、納得とはいかなかったものの、その考え方はひとまず理解できるところではあった。

私を補佐してくれている総括副市長も同様の経験をしている。副市長がまだ若く、市の一般職員だった頃、県幹部になぜ県営施設を延岡市に整備してくれないのかと尋ねたところ、「県庁所在地の強化が優先だ。サンレー構想でもわかるように、次の段階は延岡市や都城市の整備になるから待っていてくれ」との答えだったという。

その後、残念ながら県は新規の施設整備を凍結することとなり、ながらくスポーツ施設や文化施設などは一切建設されずにきたのだが、2巡目国体が内定してようやくそのくびきが解かれる時がきた。そして、今や宮崎市は人口40万人の堂々たる県庁所在地になっている。財政規模は県内市町村で突出するレベルになったし、中核市として単独で持つ権限も拡大した。

昔の約束だからとは言わないが、そろそろ県土整備のあり方を転換してもいい時期を迎えたのではないだろうか。



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