超高齢少子社会の到来、セーフティネット機能の向上、地方分権の進展、新たな「住生活基本法」の策定など、これまでの社会経済情勢や住宅政策を支えてきた制度的枠組みが変化する中で本市の定める住宅マスタープランでは、市民に慣れ親しんだ「天下一」の取り組みにならい、「天下一住生活のまちづくり」を基本方針として社会的な変化を捉えた「市場及び既存住宅重視」、「公共・民間による重層的な住宅セーフティネットの構築」、「市民との協働による住まい・まちづくりの推進」などの取り組みの視点をもとに、以下のような4つの目標を掲げるものとします。

即ち、7つの課題を踏まえ、「天下一住生活のまちづくり」の方針のもとに目指す住宅地像として以下の4つの目標を設定します。
4つの地域が合併して形成された水と緑の多彩な環境の中にあって、延岡の気候・風土に適した良質な住宅ストックの形成が求められています。
持家住宅においては、次世代にも継承できる本県や本市の気候・風土に適した延岡らしい住まいづくりを目標とします。特に、新耐震基準以前の持家が半数以上ある本市においては、住宅リフォームや耐震化の促進、老朽住宅の更新、あるいは水害や台風に強く、環境や健康に配慮した住まいづくりをすすめることが大切です。
また、市が直接供給する市営住宅においては、これらの新しい課題に積極的に応え、引き続き計画的な建替や維持管理で、更に良質な住宅ストックを形成することを目標とします。
市民にとって安心感のある行政が情報提供の窓口となることが求められますが、耐震化やリフォームをはじめとする情報やサービスを行政窓口のみで網羅することは現状では難しいと考えられます。特に、延岡市では、今後は団塊世代のニーズや団塊ジュニア世代の動向に応えた情報提供が望まれるなど、定住促進のための新たな研究・検討も必要です。
また、ライフステージの変化などに応じた住宅や住宅地の選択の幅を広げる上で、今後は空家や売家など中古住宅市場の活用も求められています。
さらに、中心市街地や過疎地の人口定住等に寄与する住情報として、「空家の利活用」や中古住宅市場の活用などの取り組みは、住宅資源の無駄遣いを控え、地球環境にもやさしく、サスティナブル(持続可能な)社会づくりにも寄与することになります。
このようなことから、持続可能な社会づくりのために、これまであまり注目されることのなかった住宅を取引きする市場(マーケット)の整備を目標とします。
本市はこれまで、緑豊かな山岳や森林、美しい海岸線、清らかな渓流美を誇る河川とその地域に広がる田園風景などの個性的で多彩な地域資源を活かした住まいづくりの情報提供に努めてきましたが、今後はさらに空家等を活用した「二地域居住」などの情報提供も求められています。
また、良好な居住環境を全市にわたり形成するためには、中心市街地の活性化に資する住宅整備の促進も重要です。
このように、地域特性に応じて多様な状況がみられる本市においては、それらの住宅地に応じた景観や住環境の特性に配慮した住まい・まちづくりをすすめることが強く求められています。
そのため、地域に応じたまちづくりをすすめる上で、今後は市民の自主的な取り組みへの支援を強化し、NPO法人や地元工務店、建設事業者などとの住まい・まちづくりの協働の仕組みづくりに基づく、地域の個性を活かした良好な居住環境の形成を目標とします。
近年の厳しい社会経済情勢下での、賃金体系の見直しや社宅等の福利厚生施設の減少などにより、住まいに関わるセーフティネット機能は大きく変化し、市民の安定した居住を確保していくことが難しい状況となっています。このため、多様化する住宅困窮世帯でも健康で文化的な住生活を営むことができ、安心して地域に住み続けられるように、福祉施策等との連携のもとで、公共と民間の双方で重層的な住宅セーフティネットの構築に取り組むことが求められています。そのため、市営住宅においては、老朽化した住宅の再整備とともに、本来の目的である低額所得世帯をはじめ、高齢者世帯や障がい者世帯、子育て世帯など真に住宅に困窮する世帯に対して適確に供給する仕組みづくりが必要です。一方、民間住宅については、高齢者世帯や障がい者世帯等に対して不当な入居敬遠が行われないよう、住宅困窮世帯を受け入れる環境づくりをすすめる必要があります。また、持家取得に係る安全・安心の確保や山間部での集落機能の維持・強化についても、住宅セーフティネットを構成する重要な一部として検討が必要です。
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