絵本の読み聞かせから、子どもは何を得ているのでしょうか。
まず読み聞かせをしている状態を想像し、何をしているかを考えてみましょう。子どもは読み手から絵本を読んでもらう時、絵の様子をじっくりと見て、聞こえてくる言葉に耳をかたむけます。
読み手は、子どもに近づくか抱っこした状態で、子どもに絵をよく見せながら、子どもが聞き取りやすいようにゆっくりと話を読んでいきます。実はこれらの状態が重要なかぎを握るのです。
- 言葉
むかし、古代人は自分で見た映像を絵に描き、後に象形文字をつくり出しました。そして現在、私たちは、象形文字から発展させた現在の文字で生活しています。子どもが生まれてから文字を覚えるまでの成長は、この過程に似ています。
例えば、「スプーン」という言葉は、毎日の食事のときに使うことで画像が記憶され、人に「スプーン」と教えられることで言葉といっしょに覚えるのです。
絵本にもこのことがあてはまります。子どもははじめ「絵」を使った絵本に書いてあることを理解し、読み聞かせを何回も受けるうちに、絵といっしょに書いてある文章を理解できるようになります。絵本は、言葉を覚える方法を子どもに教えてくれるのです。
- 考える力
絵から言葉を覚えることを身につけた子どもは、絵本の中に繰り広げられるいろいろな世界を体験できるようになります。
たくさんの絵本に感動し、感動の積み重ねによって考えられる力が養われるのです。この考える力が身につくと、言葉から映像をイメージできるようになり、豊かな想像力を持てるようになります。
- 豊かな心
絵本の読み聞かせから得るものとして、これほど大切なものはありません。
子どもは知識や教養を得る前に、豊かな心を身につけます。本を読んでもらうことによって、読んでくれた人の語り口やしぐさから出るやさしい気持ち、新しい世界を見つけたうれしい気持ちを感じとることができます。やがて、人の気持ちを考えたり人にやさしくしようとする思いやりの気持ちを持つようになるなど、これからの長い人生の中で最も大事にしなければならないものを身につけるのです。
また、本を読んでくれた人とのスキンシップによって、落ち着いた心をもつようになり、 心の充実感を知るとともに困難を乗り切る勇気も芽生えます。
年齢が低いほど読み聞かせは効果的です。それは、いったんテレビやゲームなどに強く興味を引かれると、絵本のおもしろさに気づきにくくなるためです。
また、学校に行き始めると、塾や習いごとなどに時間をとられ、本に親しむ時間が少なくなりがちです。だから、生きるための情報を得ようとがんばっている0歳のころから読み聞かせを始めてもよいのです。